４年目のJ２を迎える長崎は１月16日、長崎市内の長崎駅前「かもめ広場」内特設ステージで「2016 V・ファーレン長崎 新加入選手発表記者会見」を実施。会場には指導者ライセンス取得講習会受講のために欠席した村上佑介と上本大海を除く12名が参加した。
 
　昨季から約半数の選手が入れ替わったが、実績と実力が伴った補強により、過去最強と言える戦力が整った。GK大久保択生、DF髙杉亮太、シャドーの梶川諒太といった主力も残留し、高木監督は「今年はレギュラー安泰の選手がひとりもいない」とチーム内の競争激化を歓迎している。
 
　昨季は攻撃の形を作りながらあと１点が遠い試合も多く、勝点を取りこぼしたが、高木監督の「サッカーの原点であるゴールに、よりこだわりたい」と攻撃陣に豊富な人材を揃え、得点力の向上を目指している。
 
　圧巻のスピードを誇る松本大輝や多彩な得点パターンを持つ田中輝希、強烈なシュートが武器の永井龍らゴールゲッターだけでなく、サイドにパク・ヒョンジンや村上佑介ら良質なクロスを配球できるクロッサーも加えており、クロスからの得点が増加しそうだ。
 
　事実、この日の会見で永井は「J２得点王を狙っています。自分が得点王になれば、チームも自ずと昇格ラインに入れると思うので、そこを目標にやっていきます」と力強く宣言し、新たに背番号10を背負う養父も「最後のアシストやパスの精度を上げて、去年以上の得点は決めたいと思っています。自分が常に絡めるようにプレーしたい」。攻撃への意欲を感じさせるコメントが相次いだ。
 
　会見の最後には、高木監督がサプライズで参加し、昇格に挑む決意を次のように語った。
 
「今年は初心に戻ってやりたいと思います。初心には、初めてなにかを始めた頃の新鮮な気持ちという意味と同時に、室町時代の歌舞伎役者が言っていた言葉で、初心に戻るというのは、恥を再びかかないためにやるという意味があると、最近読んだ本に書いてありました。過去３年で二度J１昇格プレーオフに出場しましたが、結果を得られずに悔しい思いをしました。そういうことを繰り返したくない。そこを踏まえ、『初心』を掲げて今季は戦っていきたいと思います」
 
　チームは会見の１週間前から始動しており、これから本格的なトレーニングに突入し、J１を目指す戦いへと向かっていく。
 
取材・文：藤原裕久（フリーライター）

■2016年メンバーリスト
★＝新加入選手
 

Pos.	No.	名前
GK	1	大久保択生
	21	富澤雅也★
	31	三浦雄也★
	43	植草裕樹
DF	3	チョ・ミヌ
	4	高杉亮太
	5	田上大地★
	15	岸田翔平
	19	武内　大
	27	村上佑介★
	29	上本大海★
MF	6	前田悠佑
	7	李　栄直
	8	木村　裕
	10	養父雄仁★
	11	神崎大輔
	13	パク・ヒョンジン★
	14	田中輝希★
	16	田中裕人★
	20	中村慶太★
	22	宮本航汰★
	23	梶川諒太
	24	小野寺達也★
	25	北川滉平
FW	9	永井　龍★
	17	ロドリゴ★
	18	佐藤洸一
	30	松本大輝★