【甲府】佐久間監督の下で負けない甲府。ここぞで見せた「反発力」は本物か?

カテゴリ:Jリーグ

橋本啓(サッカーダイジェスト)

2015年06月28日

収穫は決して少なくないが、攻守とも改めて課題が浮き彫りに。

収穫があった一方で課題も表出。特に、バレー不在時にどうチャンスを作るかは、第2ステージへに向けた課題のひとつでもある。写真:サッカーダイジェスト

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 もっとも、この反発力を“本物”と見るには早計だろう。たしかに、選手交代によって流れが変わったが、崩しの局面では精度が低く、同点ゴールは「(阿部拓の)個人技によるところも大きかった」(盛田)。23日のG大阪戦から中3日で臨んだ柏の選手たちが、万全とは言い難いコンディションだったのも考慮すべきで、今後も同じような場面で底力を発揮できるかを判断する必要がありそうだ。
 
 また攻撃面で言えば、バレー不在時の不安はやはり拭えない。前半はサイドを起点に何度かチャンスを作ったが、この助っ人FWが欠場した影響は「ボールの収まり方が違う」(阿部拓)との言葉からも少なからず感じられた。
 
 前線にボールを放り込んでも基準点になれるバレーが不在では、この日のように相手に簡単にボールが渡ってしまうのも無理はなかった。DFのマークを集中させてスペースを生む“2次作用”もなかったため、「ドリブルで小回りを効かせながら、チャンスを作ろうと思っていた」と言う阿部拓の攻撃力が活きるシーンもごくわずか。結果的に厚みのある攻撃につながらなかったのだ。
 
「もっとチャンスを増やさないとダメ。今日のような内容だと厳しい」(阿部拓)
 
 守備の再建、バレー獲得による攻撃力の向上など、第1ステージで得た収穫は決して少なくないが、攻守とも改めて課題が浮き彫りになったのも確かだ。体制移行後から6試合負けなしでシーズンを折り返すとはいえ、どん底から這い上がり「ようやく残留争いに加われただけにすぎない」(佐久間監督)チームにとっては、阿部拓の言葉を真摯に受け止める必要もある。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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