現時点で最も獲得に熱心なクラブの一つがヘタフェで、すでに数週間前からビジャレアルと話し合いを行っている。しかしここでネックとなるのがビジャレアルが支払うと契約書で取り決められたレンタル料とサラリーで、この点でマドリーは譲歩する考えはない。
すなわち、例えば経営規模がそこまで大きくないヘタフェが70%しかサラリーを支払えないと主張すれば、そのカバーできない分はビジャレアルが負担しなければならない、それがマドリーの見解だ。
昨冬、ヘスス・バジェホがウォルバーハンプトンからグラナダに移籍した。この時にマドリーが行ったのは、両クラブ間で合意した内容をそのまま承認したことだけ。マドリーは久保のケースも同様に、本人が移籍を希望すれば尊重する方針だが、現状はそうではなく、そこがヘスス・バジェホと決定的に違う点でもある。そして、それまではあくまで静観を決め込むというのがこの一連の騒動におけるマドリーが取っているスタンスだ。
マドリーはびた一文まけるつもりはない
ただ、もちろん久保を取り巻く現状には大いに不満を抱いている。今夏、ラ・リーガだけでも10以上のクラブからオファーが届いた中、久保はビジャレアルに移籍した。決め手となったのは新たに監督に就任したエメリが獲得を強く望んだからからであり、その投資額の大きさも本気度の表われであるとマドリー側は感じ取った。
ビジャレアルはその際、出場機会を保証したが、実際はそうはなってはいない。クラブ上層部の不満は相当なもので、今後ビジャレアルが同様にレンタルでマドリーの選手の獲得を望んだとしても、その実現は困難を極めるだろう。
ビジャレアルが現在の膠着状態を打破するには、久保が考えを改めて移籍を希望する以外にない。ただその時もマドリーは、新たなレンタル先探しに積極的に手を貸すことはあっても、びた一文まけるつもりはない。ビジャレアルがその新たな受け入れ先のクラブと金銭面で合意できなければ、当然、ゴーサインを出す考えもないのである。
文●セルヒオ・サントス(アス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸
ビジャレアルはその際、出場機会を保証したが、実際はそうはなってはいない。クラブ上層部の不満は相当なもので、今後ビジャレアルが同様にレンタルでマドリーの選手の獲得を望んだとしても、その実現は困難を極めるだろう。
ビジャレアルが現在の膠着状態を打破するには、久保が考えを改めて移籍を希望する以外にない。ただその時もマドリーは、新たなレンタル先探しに積極的に手を貸すことはあっても、びた一文まけるつもりはない。ビジャレアルがその新たな受け入れ先のクラブと金銭面で合意できなければ、当然、ゴーサインを出す考えもないのである。
文●セルヒオ・サントス(アス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸