「得点を量産する選手はそういう考え方をすると思う」
試合後、2試合連続でPKを決めたこと以上に、好機を連続して逸したことに質問が集中した。
「余裕はないですよ。今日は反省しないといけないですね」
数ある決定機を決められなかった選手が吐く、紋切り型の自省の言葉。しかし、本田は続けて自分らしい独特な考えを述べていった。
「チャンスには多く顔を出していた? そう言って頂けるとありがたいですけど。僕自身もね、外したところはしょうがないと思っている。それよりも、ああいったビッグチャンスをあと3、4本は作れるようにならないと。7、8本は外さないでしょうから。得点を量産する選手は、そういう考え方をすると思う。自分の中ではもちろんビッグチャンスが来たら、決めようと思っているけど、それは当たり前のこと。それでも決められない可能性がある。それよりも、今日あった3本のチャンスを6本にする。そのためのフィジカル的要素、駆け引き、周りとのコンビネーションを高めていったほうが、(ゴールという)結果につながると思います」
ゴールは時の運。そんな言葉もある。本田はゴールを決められなかったこと以上に、チャンスをさらに構築できなかったことを省みた。
興味深いのは、「得点を量産する選手はそういう考え方をする」というコメントだ。先日、バロンドールを獲得したクリスチアーノ・ロナウドに対してコメントを求められると、「一選手が取れる点数の枠を覆し続けている。サッカー選手として刺激になる。常にああいうところを目指したい」と語った。
試合数以上の得点数を記録するロナウドを、本田は別次元と認識している。そこに到達できるということではないが、ゴールを挙げ続ける選手のメンタリティーは自分にも取り入れられる。それはワールドカップ以降、変わりつつあるプレースタイルと意識に準ずる姿勢でもある。
しかし、こうした本田の考え方を、ただ鵜呑みにすることもできない。流れの中であれだけ“普通に決められる”絶好機を得ながら、そのすべてをフイにした。それはサッカーにおいて、勝敗を左右することにもなり兼ねない。イタリアの結果至上主義の中でプレーする本田だが、これがセリエAの試合であれば間違いなく厳しい採点が付けられたはずだ。
独特な思考は本田の特長であり、これまでの成長を支えてきた源泉でもある。ただし結果という裏付けを残せないのであれば、そうした独自性も説得力を欠く空疎な絵空事になってしまう。本田が本田らしく振る舞い、それを受け入れられるために――。次のヨルダン戦以降は、これ以上のイージーミスは許されない。
取材・文:西川結城
【マッチレポート|日本 1-0 イラク】
【ゲームPHOTOギャラリー】
「余裕はないですよ。今日は反省しないといけないですね」
数ある決定機を決められなかった選手が吐く、紋切り型の自省の言葉。しかし、本田は続けて自分らしい独特な考えを述べていった。
「チャンスには多く顔を出していた? そう言って頂けるとありがたいですけど。僕自身もね、外したところはしょうがないと思っている。それよりも、ああいったビッグチャンスをあと3、4本は作れるようにならないと。7、8本は外さないでしょうから。得点を量産する選手は、そういう考え方をすると思う。自分の中ではもちろんビッグチャンスが来たら、決めようと思っているけど、それは当たり前のこと。それでも決められない可能性がある。それよりも、今日あった3本のチャンスを6本にする。そのためのフィジカル的要素、駆け引き、周りとのコンビネーションを高めていったほうが、(ゴールという)結果につながると思います」
ゴールは時の運。そんな言葉もある。本田はゴールを決められなかったこと以上に、チャンスをさらに構築できなかったことを省みた。
興味深いのは、「得点を量産する選手はそういう考え方をする」というコメントだ。先日、バロンドールを獲得したクリスチアーノ・ロナウドに対してコメントを求められると、「一選手が取れる点数の枠を覆し続けている。サッカー選手として刺激になる。常にああいうところを目指したい」と語った。
試合数以上の得点数を記録するロナウドを、本田は別次元と認識している。そこに到達できるということではないが、ゴールを挙げ続ける選手のメンタリティーは自分にも取り入れられる。それはワールドカップ以降、変わりつつあるプレースタイルと意識に準ずる姿勢でもある。
しかし、こうした本田の考え方を、ただ鵜呑みにすることもできない。流れの中であれだけ“普通に決められる”絶好機を得ながら、そのすべてをフイにした。それはサッカーにおいて、勝敗を左右することにもなり兼ねない。イタリアの結果至上主義の中でプレーする本田だが、これがセリエAの試合であれば間違いなく厳しい採点が付けられたはずだ。
独特な思考は本田の特長であり、これまでの成長を支えてきた源泉でもある。ただし結果という裏付けを残せないのであれば、そうした独自性も説得力を欠く空疎な絵空事になってしまう。本田が本田らしく振る舞い、それを受け入れられるために――。次のヨルダン戦以降は、これ以上のイージーミスは許されない。
取材・文:西川結城
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