決勝弾アシストの長谷川は決定力向上を求めたい。
■芽生えてきた若い力
今大会は、高倉監督と年代別代表から活躍を続けた、若い世代の活躍も目立った。
中盤では、横山の決勝ゴールをアシストした長谷川唯(日テレ・ベレーザ)。高いテクニックは折り紙付きだが、本人のセールスポイントは「試合終了まで欠かさないハードワーク」。左サイドを上下動するだけでなく、危機を察知すると逆サイドまでカバーに走ることもしばしば。高倉監督から期待されているのは「試合を決めるゴール」。準決勝、決勝でビッグチャンスを呼び込んでおり、決定力の向上が、来年に向けての課題になる。
オーストラリアの波状攻撃にも耐え抜いた守備陣では、まず、決勝でファインセーブを連発した山下杏也加。池田咲紀子(浦和レッズレディース)らとの激しい競争を制して、ゴールマウスに立った。自らのキャッチミスから与えたPKを止めて帳消しにすると、その後はクロス、シュートをしっかりとセーブ。指揮官が、高身長の菅澤優衣香(浦和レッズレディース)から横山への交代に踏み切れたのも、山下に空中戦を任せられると踏んだからだろう。
市瀬菜々(ベガルタ仙台レディース)と、清水梨紗(日テレ・ベレーザ)も、世界で戦える能力を証明した。二十歳の市瀬は、所属クラブではボランチが主戦場。将来的には、宇津木のようなタイプの使われ方をするかも知れない。守備だけでなく、ビルドアップ能力の高さも魅力だ。
これまで多くの選手が試されたサイドバックで、招集が遅れていた清水。「『(呼ばれるのが)遅かった』とは思いません。いい選手がたくさんるので、メンバーにずっと入っていられるかも分かりません。他の選手たちもライバルだと思ってやっています」という意気込みで、レギュラーの座を掴んだ。華奢だが1対1に強く、運動量も申し分ない。
今大会は、高倉監督と年代別代表から活躍を続けた、若い世代の活躍も目立った。
中盤では、横山の決勝ゴールをアシストした長谷川唯(日テレ・ベレーザ)。高いテクニックは折り紙付きだが、本人のセールスポイントは「試合終了まで欠かさないハードワーク」。左サイドを上下動するだけでなく、危機を察知すると逆サイドまでカバーに走ることもしばしば。高倉監督から期待されているのは「試合を決めるゴール」。準決勝、決勝でビッグチャンスを呼び込んでおり、決定力の向上が、来年に向けての課題になる。
オーストラリアの波状攻撃にも耐え抜いた守備陣では、まず、決勝でファインセーブを連発した山下杏也加。池田咲紀子(浦和レッズレディース)らとの激しい競争を制して、ゴールマウスに立った。自らのキャッチミスから与えたPKを止めて帳消しにすると、その後はクロス、シュートをしっかりとセーブ。指揮官が、高身長の菅澤優衣香(浦和レッズレディース)から横山への交代に踏み切れたのも、山下に空中戦を任せられると踏んだからだろう。
市瀬菜々(ベガルタ仙台レディース)と、清水梨紗(日テレ・ベレーザ)も、世界で戦える能力を証明した。二十歳の市瀬は、所属クラブではボランチが主戦場。将来的には、宇津木のようなタイプの使われ方をするかも知れない。守備だけでなく、ビルドアップ能力の高さも魅力だ。
これまで多くの選手が試されたサイドバックで、招集が遅れていた清水。「『(呼ばれるのが)遅かった』とは思いません。いい選手がたくさんるので、メンバーにずっと入っていられるかも分かりません。他の選手たちもライバルだと思ってやっています」という意気込みで、レギュラーの座を掴んだ。華奢だが1対1に強く、運動量も申し分ない。
もちろん、阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)、鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)は、今なお主力として頼れる存在だし、今大会はピッチ条件によって特長が消された川澄奈穂美(シアトルレイン)も、フランスの芝で輝きを取り戻すだろう。今大会でチャンスを充分に与えられなかった選手たちも、その悔しさを晴らすため、各チームに戻って努力を続けていく。
「しっかりと所属チームでタイトルを獲り、その先に何かがついてきたらいいと思います」とは、大会MVPの岩渕が、なでしこリーグの開幕戦で残したコメントだ。日常にこそ、レベルアップへのカギは隠されている。
文●西森 彰(フリーライター)
「しっかりと所属チームでタイトルを獲り、その先に何かがついてきたらいいと思います」とは、大会MVPの岩渕が、なでしこリーグの開幕戦で残したコメントだ。日常にこそ、レベルアップへのカギは隠されている。
文●西森 彰(フリーライター)