フランスで輝くのは誰? なでしこJを支えたヒロインたちの活躍を総チェック!!

カテゴリ:日本代表

西森彰

2018年04月21日

決勝弾アシストの長谷川は決定力向上を求めたい。

準決勝、決勝でも決定機を掴んでいた長谷川。彼女の得点力が上がれば、なでしこの攻撃力はさらに脅威を増すはずだ。(C) Getty Images

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■芽生えてきた若い力

 今大会は、高倉監督と年代別代表から活躍を続けた、若い世代の活躍も目立った。

 中盤では、横山の決勝ゴールをアシストした長谷川唯(日テレ・ベレーザ)。高いテクニックは折り紙付きだが、本人のセールスポイントは「試合終了まで欠かさないハードワーク」。左サイドを上下動するだけでなく、危機を察知すると逆サイドまでカバーに走ることもしばしば。高倉監督から期待されているのは「試合を決めるゴール」。準決勝、決勝でビッグチャンスを呼び込んでおり、決定力の向上が、来年に向けての課題になる。

 オーストラリアの波状攻撃にも耐え抜いた守備陣では、まず、決勝でファインセーブを連発した山下杏也加。池田咲紀子(浦和レッズレディース)らとの激しい競争を制して、ゴールマウスに立った。自らのキャッチミスから与えたPKを止めて帳消しにすると、その後はクロス、シュートをしっかりとセーブ。指揮官が、高身長の菅澤優衣香(浦和レッズレディース)から横山への交代に踏み切れたのも、山下に空中戦を任せられると踏んだからだろう。

 市瀬菜々(ベガルタ仙台レディース)と、清水梨紗(日テレ・ベレーザ)も、世界で戦える能力を証明した。二十歳の市瀬は、所属クラブではボランチが主戦場。将来的には、宇津木のようなタイプの使われ方をするかも知れない。守備だけでなく、ビルドアップ能力の高さも魅力だ。

 これまで多くの選手が試されたサイドバックで、招集が遅れていた清水。「『(呼ばれるのが)遅かった』とは思いません。いい選手がたくさんるので、メンバーにずっと入っていられるかも分かりません。他の選手たちもライバルだと思ってやっています」という意気込みで、レギュラーの座を掴んだ。華奢だが1対1に強く、運動量も申し分ない。
 もちろん、阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)、鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)は、今なお主力として頼れる存在だし、今大会はピッチ条件によって特長が消された川澄奈穂美(シアトルレイン)も、フランスの芝で輝きを取り戻すだろう。今大会でチャンスを充分に与えられなかった選手たちも、その悔しさを晴らすため、各チームに戻って努力を続けていく。

「しっかりと所属チームでタイトルを獲り、その先に何かがついてきたらいいと思います」とは、大会MVPの岩渕が、なでしこリーグの開幕戦で残したコメントだ。日常にこそ、レベルアップへのカギは隠されている。

文●西森 彰(フリーライター)
 
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