“崇高な点取り屋”アグエロ――現地でのリアルな評価とマンC内での地位は?

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2018年02月13日

アグエロを抑えて評価されたのは…。

ペップ(右)はアグエロ(左)を事あるごとに称え、モチベーションを保ち続けている。 (C) Getty Images

画像を見る

 今シーズンのアグエロに対する英国内での大きな反応には、「見納めが近い」という感情も含まれているように感じられる。
 
 20歳のブラジル人FWガブリエウ・ジェズスが昨年12月に大怪我に見舞われていなければ、フル出場が続く後半戦の起用はおそらくなかった。

 6年前のプレミアリーグ初優勝当時には「不可欠」とされ、就任2年目のジョゼップ・グアルディオラも「クラブの真のレジェンドだ」と認めるアグエロをベンチに据えることも少なくなかった前半戦から、マンチェスター・Cは首位を独走し続けていた。
 
 そのクラブ内での地位の変遷における象徴が、レスター戦で超秀逸な3アシストを記録し、4ゴールのアグエロを抑えてマン・オブ・ザ・マッチに輝いたデ・ブルイネの存在だ。
 
 毎週のように評価を高め続ける26歳のプレーメーカーは、レスター戦後にハットトリック達成者に贈られる試合球をアグエロから奪う悪戯で笑いを誘ったが、シティのタイトル獲得に“不可欠”な主役としての座を奪う日も、そう遠くはないだろう。
 
 現行契約が2019年6月までとなっているアグエロが、「監督とフロントの意向次第」という契約延長を実現できなければ、今夏にも“心のクラブ”でもある故郷のインディペンディエンテなどへと去ってしまう可能性もある。
 
 プレミアリーガーにとって最高の栄誉とも言うべきPFA(プロサッカー選手協会)の投票による年間最優秀選手賞は、デ・ブルイネの受賞が濃厚視されているが、PFAの年間ベストイレブンには、アグエロも選ばれて然るべきだろう。
 
 実のところアグエロは、PFAベストイレブンに一度も選ばれたことがない。これは手厳しい英国メディアにワールドクラスの実力者と認められて久しい、アルゼンチン人FWをめぐる唯一にして最大の謎である。はたして、今シーズンはどうなるだろうか……。
 
文●山中忍
 
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
【関連記事】
ペップがプレミアリーグの過密日程を非難「アーティストであるべき選手が守られていない!」
「シンジはアグエロより優れている!」レスター地元紙が岡崎の驚異的な“ゴール率”を紹介
アグエロが泣きっ面に蜂! 交通事故直後に恋人にフラれる…
8歳でアーセナルを“クビ”になったケイン…なんと理由は「太っていたからさ」
プレミア制覇が絶望的となったマンUを英紙が皮肉を込めて批判「不十分な“最強スカッド”」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2025年7月号
    6月10日(火)発売
    今、面白いクラブを総力特集‼
    ファジアーノ岡山
    徹底読本
    クラブが辿った奇跡のストーリーに迫る
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年7月3日号
    6月19日発売
    新生レアル・マドリー完全攻略読本
    シャビ・アロンソ新体制が始動
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ