選手のサインは買う時代? 「スポーツメモラビリア」市場に迫る

カテゴリ:特集

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年09月21日

経産省がスポーツ産業市場の活性化策を発表。メモラビリア市場の拡大に追い風か。

世界のスポーツビジネス市場に比べ、日本の市場規模はまだまだ小さい。2020年の東京五輪に向けてさらなる拡大が期待される。

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 前出の伊藤氏が、日本のスポーツメモラビリア市場についてこう言う
「購入できる場所も限られていますし、流通している商品数や単価などを基に推計すると、日本の市場は数億円に満たないと思います。直筆サインが売買される風土が醸成されていないと言えます」
 
 ここでスポーツ業界全体の市場を見てみよう。日経新聞によると、日本や中国を含めたアジアのスポーツビジネス市場は、2013年の時点で97億ドル(約1兆円)となっており、北米や欧州のわずか3割にとどまっている。日本単独ではさらに低い割合となる。この数値が示すように、日本はスポーツこそ盛んなものの、ビジネスに結び付けられていない現状がある。
 
 そんななか、2016年、経産省は成長戦略の一環として、スポーツ産業市場を日本の基幹産業へと成長させるべく活性化策を発表。2025年までにスポーツ産業市場規模を2012年時点での5.5兆円から15.2兆円に拡大する目標を掲げた。
 
「その点から見ても、日本では未開拓と言ってよいスポーツメモラビリアが市民権を獲得し、より身近に楽しむことができるような時代になるかもしれません。ただ、先述のスタイナー社の創業者も語っていますが、最も大切なのは喜びを与えてくれるか否かだと思います。自分も、少年時代に集めたサッカー選手の直筆サインを眺めながら試合を観戦すると、なんともいえない格別な気分だったことを思い出します」
 
 伊藤氏が語るように、スポーツが日本に、地域に根付き、人々の日常に喜びや楽しさをもたらしてくれることが、スポーツメモラビリア市場が広がっていく条件と言える。2020年の東京オリンピックを契機に、スポーツ産業市場が拡大していくなかで、メモラビリア市場がどう変わっていくのか、その動向にも注目したい。
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