【U-17代表】攻撃の新オプション!? 飛び級招集の栗原イブラヒムジュニアとは何者か

カテゴリ:日本代表

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2017年07月14日

「身長を生かしたプレーを改めて表現したい」

ポテンシャルの高さは垣間見せたものの……。ピッチには「ジュニア!」という森山監督の声が何度も響いた。写真:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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 以上の面々を見ると、高さや強みを前面に出すタイプがU-17日本代表には欠落している。「中村、山田、棚橋、久保にはないボールの収まりがある」(同監督)と評される宮代は179センチ。世界を相手にしたエアバトルでは後手を踏むことが予想される。
 
 だからこそ、“新オプション”として栗原を試してみたかったのではないか。海外選手にも負けない体躯、しなやかでバネの効いたジャンプ。「そこを評価してもらったと思っている」とは、本人の口から出た選出理由の推察だ。
 
 ただし、12日の午前練習と午後の練習試合(栗原は1本目に出場した)を確認するに、アピールには失敗した印象も残る。ピッチには「ジュニア!」という指揮官の声が響き、その都度やるべきプレーを指示されていた。栗原が反省する。
 
「U-16日本代表と同じようなトレーニングなんですけど、質やスピード感が全然違う。自分ではまったく通用しない、ということがよく分かった。ひとつ上のレベルを体感できたのは、これからに非常に役立つと思います。
 
 この合宿では『ボール保持』をテーマにしていて、練習試合では立ち上がりから丁寧なパス回しを全体で意識していました。そのなか、収めてほしい場所で自分がボールロストをしてしまっていた。高さでも『新しい武器』と呼べるようなものを示せなかったです。
 
 そこで負けたら自分がピッチに立っている意味がなくなってしまいます。前の選手がキープすることで全体を押し上げられ、よりスムーズなパス交換をできるはず。オフ・ザ・ボールの動きの質も足りませんでしたけど、何よりも起点になり切れませんでした」
 
 豪快なヘディングでゴールネットを揺らしたが、それだけでは心は晴れない。「ドフリーだったので」と大きく喜びもしない。プレー精度、状況判断、その他多くのものが自分には足りない。それを理解した。そして、求められているものも再確認できた。
 
「ワールドカップのメンバーに選ばれるための、自分にとってのラストチャンスだと思っています。身長があるので、それを生かしたプレーを改めて表現したい。謙虚に、そしてインパクトを残せるように頑張ります」
 
 インドに行ける可能性は高くないかもしれない。それでも、飛び級での世界挑戦を諦めたくない。15歳が放った言葉や立ち振る舞いには、強い覚悟が滲み出ていた。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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