【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|やれることは増えた。次は質を高めることで…

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年07月11日

これまでとアプローチを変えるつもりはない。

リーグ開幕当初と比べると、やれることは随分と多くなった。「このスタイルで必ず上昇する」という強い覚悟でいる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 次は神戸戦についてだ。17節のG大阪戦からの1週間は、様々な準備を行なった。3月11日の3節で対戦した際には、神戸は4-4-2を敷きつつも、右サイドハーフを永戸(勝也)の駆け上がりに対してそのまま下げる対策を練ってきた。
 
 ウチは有効な手立てを打てず、術中にハマったゲームだと言える。だからこそ、今季2度目のゲームでは「4-4-2から変形して守るケース」と「3バックでミラーゲームにしてくるケース」という両方を念頭に置いてトレーニングをこなした。
 
 試合当日にメンバー表を確認すると、表記上は3バック。そのため、それに備える時間をミーティングで多めに取った。だが、蓋を開けてみると前回と同じような形。選手たちも多少の混乱はあったと思う。刷り込ませ過ぎた、と反省している。
 
 前半早々から神戸の圧力に押されているようにも見えた。それに対して「割り切ろう」という選手たちの意思は感じられた。それでも、割り切り方が中途半端だったように思う。
 
 立ち上がりはウチもそうだが、実は神戸もミスが多かった。だからこそ、ゲームが落ち着くまで、思い切って割り切るという判断が必要だった。そこで持ちこたえ切れず、簡単に失点してしまったのはもったいなかった。さらに言えば、最少失点で進めていればゲームもまったく違うものになったはずだ。
 
 これで16節・C大阪戦からリーグ戦3連敗となった。しかし、アプローチを変えるつもりはない。「このスタイルで必ず上昇する」という強い覚悟でいる。
 
 これは意地になっているのではない。コラムの第5回「先に進む――。「攻撃的なトライ」を選択した理由」でも触れたが、クラブの歴史から「もっと攻撃的なことにトライしないと先はない」という考えがあってのこと。時計の針を戻し、“堅守速攻”に回帰する選択は、私の中にはもうない。
 
 いずれにせよ、一朝一夕で作り上げられるものではない。継続することが大切で、根気よくトレーニングを重ねるしかないのだ。勇気を持ってチャレンジすること。その先に光り輝く未来があると、私は信じている。
 
構成●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は7月30日に行なわれる19節・柏戦の予定。お楽しみに!
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