【広島】浮き彫りになった迷い、自信のなさ。負のループから抜け出す術は単純で難しい

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2017年06月26日

「思い切ってやろうと声を掛けてはいるが…」(千葉)

チャンスは作れていた。決定機も多かった。だが、最後までゴールネットを揺らせず。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 千葉は言う。「足りない部分はたくさんあるが、勝てていない状況下でみんなが迷いながらプレーしている部分もある。前半にボールを回せて、それが結果につながっていれば『次も』と積極的になれるが、今は結果が出ないからギアをもうひとつ上げ切る決断ができない」
 
 迷い、自信のなさが鎌首をもたげたのが後半だろう。大宮が布陣変更して再びハイプレスを敢行すると、安定していたパス回しが揺らぐ。前半のように外し切れない。そして、その綻びは61分に自陣低い位置でのミスとして顕在化し、先制点を許した。
 
 しかし、まだ30分ほど残っている。慌てる時間帯ではないはずだが……。失った自信はなかなか元に戻らない。沈んだメンタルを切り替えることができない。再び、千葉の言葉を借りる。
 
「先に失点して、まだ時間があるのにメンタルの回復が難しかった。最終盤に立て続けに失点したシーンも同じ。なかなか得点を奪えないなかで、後ろが頑張ってゼロで抑えなきゃいけない。でもこうして失点してしまって、最終ラインの人間として本当に申し訳ない」
 
 守備だけではない。攻撃面でも同様の焦り、迷いは見て取れた。決定機で枠に飛ばせない。それは時計の針が進むごとに顕著となった。「『ゴール前などの力が入る場面でいかに冷静になれるか』が問われていると思う」とは柏の弁だ。
 
「ひとつ勝てば、とは思うんですけど。勝つまでがすごく難しい。思い切ってやろうと声を掛けてはいるが、結果が出ないと『何を信じていいのか』というのもあるし」(千葉)。まさに負のループにはまり込んでしまっている。
 
 どうすれば浮上のきっかけを掴めるのか。何か策があるのかを聞くと、「教えてほしいですよ。それが分かるなら、教えてほしいです」。振り絞るように千葉は救いを求めた。
 
 抜本的な修正が必須なほど、広島の選手個々のプレーぶりは悪くない。ただ、選手が言うように結果が出なければ自信を取り戻すのは難しい。そして、これだけは言える。「下を向いていたら落ちていくだけ」(千葉)だ。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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