【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|前々日の現地入りというコンディション調整法

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年03月06日

現地では、特に選手たちに対して制限を設けない。

今回の勝利はクラブの総力を結集して掴み取ったもの。それは関係者全員が感じているはずだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 もう少し詳しく2節・磐田戦のスケジュールを記しておこうと思う。木曜日に紅白戦などのシミュレーションを行ない、練習後すぐに静岡へと移動して1泊。翌日の午前中にセットプレーを含めた約束事の確認などをした。
 
 現地では、特に選手たちに対して制限を設けることはしなかった。外出は自由。夕ご飯にしても、ある程度目安となる時間を設定しているが、揃って食べなければいけないわけではない。
 
「18時半から食事を摂れるようにしてある。各々の好きなタイミングで、各々のペースで食べてくれ」と伝えてあった。これはキャンプの最後の1~2週間とまったく同じ。
 
 少し話はズレるが、キャンプを始めて10日間くらいは逆にガチガチに縛っている。2部練習の合間となる昼ご飯は別にして、朝と夜は全員が揃って「いただきます」。
 
 例えば7時から朝食だとする。6時50分に現われる選手もいれば、59分に姿を現わす選手もいる。先に食べる準備ができていたとしても、待つ。それから担当の選手にマネージャーが「○○、お願いします」と。
 
「おはようございます。いただきます」って食べ始めるわけだけど、まるで学生時代に戻ったみたい(笑)。ちなみに、声出し当番は背番号順だ。
 
 仙台というクラブはキャンプが長い。このように食事ひとつとっても、メリハリをつけることで長期キャンプを全員で乗り越えようという狙いがある。そこに一体感が生まれるからだ。
 
 話を戻そう。自分のやることは仙台にいようがホテルにいようが変わらない。相手チームの映像を見て、試合日のミーティングに向けて資料を作るなど準備をして、ゲームプランを練る。やることは多い。
 
 結局、練習場とスタジアムに行くことを除けば、ホテルからは一歩も出なかった。気分転換がてら散歩でもしようかと思ったが、風が強くてやめてしまった。キャンプの時は選手が部屋を訪れることも何度かあったけど、さすがに試合前日だからそれもなかった。
 
 今回はクラブの尽力もあり、前々泊を実施できた。選手もその想いに応えようとエネルギーを出し切ってくれた。そして、遠路はるばる磐田まで応援に駆けつけてくれたサポーターが後押ししてくれた。
 
 2節の勝利はクラブの総力を結集して掴み取ることができたのだと思っている。

構成●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は3月11日に行なわれる3節・神戸戦の予定。お楽しみに!
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