【高校女子選手権】過去10年君臨した3強不在の決勝。新女王は十文字か、大商学園か?

カテゴリ:高校・ユース・その他

西森彰

2017年01月07日

順番待ちをしてきた大商学園か。一気呵成に十文字が頂点へ到達するか。

優勝候補を連破して決勝まで辿り着いた大商学園。初の栄冠を掴めるか。写真:大森琢磨

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2回戦では女王・日ノ本学園に快勝。十文字が一気に頂点へ駆け上がるか。写真:西森 彰

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 3強の名前が消えたために波乱のイメージが強い今大会だが、よく見れば、昨年度ベスト4のうち3校がそのまま名を連ねている。
 
 順番待ちをしていた組の代表が、昨年度のインターハイ準優勝、選手権ベスト4の大商学園(大阪)だ。今大会では、順心、神村学園(鹿児島)と昨年度の優勝、準優勝校を破って、決勝の舞台に進んできた。
 
 関西勢の中では、もともとフィジカル能力に長けており、関東のチームが武器とする、スピードや高さといった「圧倒的な個」への対応力も高い。また、ケガで今季前半を棒に振っていたGK西村清花(3年)が完全復活。これまでノエスタで2連敗中だったが、準決勝のPK戦で中原冴彩(神村学園/3年)との対決を制し、マイナスイメージを拭い去っている。
 
 今大会5得点の久保田晴香(3年)、阪本未周(3年)などを擁し、撃ち合いになっても十分にやれる。常田菜那&麻友(ともに3年)のツインズは、キャプテン久保田の良き相談相手。もう一組の双子、林みのり&かおる(ともに2年)はテクニカルな下級生の代表格だ。
 
 大商、神村、修徳(東京)の中に、分け入ってきたのが十文字。AC長野パルセイロレディース所属の横山久美らを送り出している東京の名門だ。今季はシーズン初めの大規模フェスティバル、めぬまカップで優勝。インターハイでは常盤木学園を破って自信をつけた。
 
 今大会では、2回戦で日ノ本学園を破り、準決勝では互いに初の決勝進出を賭けた修徳との“東京ダービー”に勝利した。その修徳とのゲームはPK戦になり、9人連続でキックを成功。90分戦った上で左右のコースに蹴り分けられたように、全員が足下の技術に自信を持ち、ピッチ上に穴がない。
 
 右の松本茉奈加(3年)、左の蔵田あかり(2年)とサイドハーフにスピードスターを配し、ダブルボランチの鈴木紗理(3年)、源間葉月(3年)、センターバックの熊谷明奈(3年)らは大きなサイドチェンジでこれを活かす。トップ下のキャプテン・村上真帆(3年)は自ら中央を突破できる。GKK川端涼朱(3年)を中心に守備も固く、ここまで4試合でわずか1失点。全国大会では今年の夏まで出場3大会連続で、作陽(岡山)に敗れていたが、逆サイドの山に入っていた天敵の姿はすでにない。頂点へ駆け上がる、またとない好機だ。
 
 昨年度のインターハイでファイナルを経験している大商学園だが、選手権の決勝は初めてのステージ。十文字は全国大会のファイナル自体が初体験になる。もちろん、どちらが勝っても初優勝だ。
 
 単純な戦力の合計値では十文字がやや上と見るが、全国大会終盤の経験値は大商学園のほうが高い。十文字が自分たちのペースで試合を運べるか、大商学園がシビアな白兵戦に持ち込めるか。新女王の座をかけた戦いは、1月8日14時10分、ノエビアスタジアムのピッチで始まる。
 
取材・文:西森 彰(フリーライター)
 
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