今や世界各国で多くの日本人選手が活躍しているなか、サッカー選手として海外で成功するために必要な要素を訊いてみた。

「プレーに関しては、クラブからオファーされて加入している時点である程度の評価は受けていると思うので、その自分のパフォーマンスを出すことにフォーカスすればいいと思います。

　そのなかで成功の鍵は、自分のパーソナリティを出すことだと感じています。サッカーをやっている時間って、練習や試合を含めても１日で数時間程度です。それ以外の時間にピッチ外でのチームメイトとのコミュニケーションを取ったり、友好を深める。例えば、自分は食事に誘われたら、できる限り断らないようにしています。そうすることで、みんなからの見られ方が変わるといいますか、より仲間と思ってくれてピッチ内でも得することが増えます。

　意識しているのはとにかく話すことです。サッカー以外の会話も大事かなと思っていて、それは日本にいた時から変わらないです。英語の勉強は、最初はクラブが先生をつけてくれて、ほぼ毎日レッスンを受けていました。その成果もあり、今は日常生活やチームメイトと話すときも問題ないです」

　最後に選手としての理想像、来季の目標も教えてもらった。

「中盤の選手なので、ゲームをコントロールできるようにはなりたいと思っています。日本でプレーしていた時はある程度できていたかもしれませんが、よりチームの中心になりたいと思っています。特にお手本にしている選手などはいませんが、いろんな選手の良いプレーを参考にしています。こっちに来て欧州のサッカーをよく見るようになりました。

　同じチャンピオンシップのシェフィールド・ユナイテッドにブラジル人のヴィニシウス・ソウザという選手がいるのですが、これまで対戦したなかで１番衝撃を受けた選手でした。僕と同じボランチの選手で、背が高く、フィジカルも強い。守備ではかゆいところに手が届いて、攻撃でもチームを動かせて、自分もゴール前に出ていける凄い選手です。

　チャンピオンシップでは外国人選手で技術があるなと思った選手はほとんどいなくて、間違いなく日本人のほうが上だと思っていましたが、彼は上手いと感じました。

　来季の目標は、ストークがプレミアリーグに昇格できるように。そのなかでチームの中心としてやれるようにやっていきたいです。長期的な目標を立てるのは好きではないので、目の前の結果を求めてやっていきたいです」

※このシリーズ了

取材・構成●中川翼（サッカーダイジェストWeb編集部）

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