「J3の試合も面白いですよ。ぜひ、観に来てください!! 損はさせませんから」

ムリキ(11番)とネイサン・バーンズ(16番)は、安間の手腕に導かれた選手。J3でコンディションを上げ、現在はトップチームのスタメンを張る。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)
もっとも、J3に出場することがゴールではない。あくまで「J1の試合に出るために、J3の鍛錬の場がある」(城福監督)。元ACL得点王のムリキは、3月に加入当初、アル・サッド(カタール)との契約を解除して約2か月所属クラブがなく、ベストコンディションではなかった。優先事項として城福監督からムリキの復活を託された安間は、5月の5試合中3試合でフル出場させ、助っ人にキレを取り戻させた。
その後、ムリキは第1ステージ10節の広島戦から8試合連続スタメン出場。13節の浦和戦でJ1初ゴール、第2ステージ初戦の鳥栖戦でも得点を挙げるなど、攻撃を牽引している。またリオ五輪代表メンバーの中島翔哉や2節の甲府戦でJ1デビューを果たした室屋も、J3からのし上がってきた選手だ。
「J3は、J1で試合に出られない選手が集まる場所じゃない。『ポジションを奪いに行く集団だ』と選手たちには言っています。調整気分でいたら、ポジションを失っていく。ムリキと(ネイサン)バーンズが好例です。鹿児島戦(J3・10節)でコンビを組んだ“夢の島の2トップ”が、今トップチームのスタメンで出ているわけですから。高橋(秀人)選手にしても、小川(諒也)選手にしても同じことが言えると思います」
競争原理を呼ぶトップとU-23の共存は、成果が出始めている。だからこそ、トップチームが年間10位(7勝5分9敗)、U-23が14位(4勝5分8敗。ともに7月18日現在)にいる状況は打開しなければいけない。安間が見据えるのは、もちろんタイトルだ。
「僕は、FC東京がJ1で優勝するためにここに来ています。第2ステージはタイトルを獲りに行かないといけない。森重選手や丸山選手が出場停止の時も、吉本選手がしっかりしたプレーを見せたからこそ勝利できた。穴を埋める選手をしっかり準備しておくこと。レギュラーのポジションを奪いに行くだけの勢いを与えられるような選手をどんどん突き上げしていくのが僕の仕事です。競争があるクラブのほうが絶対に勝てる。その点だけを考えていれば、“結末の絵”はみんな作り上げてくれると思っています。
クラブからは何年後かを見据えて今の立場を任されていると思うので、ユースでやっている選手たちにも良い刺激を与えていきたい。やるべきことは波のようにやってきます(笑)。それにしっかり乗っていきたいですね」
最後に安間はこう言葉を続けた。
「J3の試合も面白いですよ。ぜひ、観に来てください!! 損はさせませんから」
オンリーワンは、どこまでも「サッカーに生きる男」である。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
PROFILE
あんま・たかよし/1969年5月23日生まれ、静岡県出身。現役時代はJFL本田技研工業(現Honda FC)でプレー。2001年に現役を引退し、翌年からHonda FCの監督に就任。その後Jリーグで甲府のコーチと監督を歴任し、2010年9月から2014年まで富山で監督を務めた。2015年からFC東京トップチームのコーチとして、その豊富な経験で監督をサポートする。
その後、ムリキは第1ステージ10節の広島戦から8試合連続スタメン出場。13節の浦和戦でJ1初ゴール、第2ステージ初戦の鳥栖戦でも得点を挙げるなど、攻撃を牽引している。またリオ五輪代表メンバーの中島翔哉や2節の甲府戦でJ1デビューを果たした室屋も、J3からのし上がってきた選手だ。
「J3は、J1で試合に出られない選手が集まる場所じゃない。『ポジションを奪いに行く集団だ』と選手たちには言っています。調整気分でいたら、ポジションを失っていく。ムリキと(ネイサン)バーンズが好例です。鹿児島戦(J3・10節)でコンビを組んだ“夢の島の2トップ”が、今トップチームのスタメンで出ているわけですから。高橋(秀人)選手にしても、小川(諒也)選手にしても同じことが言えると思います」
競争原理を呼ぶトップとU-23の共存は、成果が出始めている。だからこそ、トップチームが年間10位(7勝5分9敗)、U-23が14位(4勝5分8敗。ともに7月18日現在)にいる状況は打開しなければいけない。安間が見据えるのは、もちろんタイトルだ。
「僕は、FC東京がJ1で優勝するためにここに来ています。第2ステージはタイトルを獲りに行かないといけない。森重選手や丸山選手が出場停止の時も、吉本選手がしっかりしたプレーを見せたからこそ勝利できた。穴を埋める選手をしっかり準備しておくこと。レギュラーのポジションを奪いに行くだけの勢いを与えられるような選手をどんどん突き上げしていくのが僕の仕事です。競争があるクラブのほうが絶対に勝てる。その点だけを考えていれば、“結末の絵”はみんな作り上げてくれると思っています。
クラブからは何年後かを見据えて今の立場を任されていると思うので、ユースでやっている選手たちにも良い刺激を与えていきたい。やるべきことは波のようにやってきます(笑)。それにしっかり乗っていきたいですね」
最後に安間はこう言葉を続けた。
「J3の試合も面白いですよ。ぜひ、観に来てください!! 損はさせませんから」
オンリーワンは、どこまでも「サッカーに生きる男」である。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
PROFILE
あんま・たかよし/1969年5月23日生まれ、静岡県出身。現役時代はJFL本田技研工業(現Honda FC)でプレー。2001年に現役を引退し、翌年からHonda FCの監督に就任。その後Jリーグで甲府のコーチと監督を歴任し、2010年9月から2014年まで富山で監督を務めた。2015年からFC東京トップチームのコーチとして、その豊富な経験で監督をサポートする。