【リーガ現地コラム】バルサの急失速で状況が一変。タイトル争いは混戦模様に

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2016年04月14日

ローテーションを軽視した采配のツケを払わされている。

A・マドリーとのCL準々決勝・第2レグでも敗戦を喫したバルサ。ここ5試合(公式戦)でわずか1勝と、完全に歯車を狂わせている。 (C)Getty Images

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 バルサの停滞は、今シーズンの選手の出場時間からも説明がつく。

 今シーズンのバルサの選手の総プレー時間は、58535分(54試合)。クラブワールドカップの2試合に加え、欧州スーパーカップとスペイン・スーペルコパの3試合を戦っているからでもあるだろう。51841分(47試合)のアトレティコ、46785分(42試合)のマドリーを大きく上回る(『AS』紙調べ)。

 選手ごとの出場時間を見てみると、3000分以上を記録しているのは、マドリーにはクリスチアーノ・ロナウド、ケイラー・ナバス、トニ・クロース、ルカ・モドリッチの4人しかいない。翻ってバルサは、実に10選手に及ぶ(アトレティコは9人)。そのうちルイス・スアレス、ハビエル・マスチェラーノ、セルヒオ・ブスケッツの3選手は4000分を超えている。

 ルイス・エンリケ監督は基本的にローテーションを採用せずに戦ってきた。そのツケをここにきて払わされていると、そう捉えられなくもない。一方、マドリーは出場停止中のデニス・チェリシェフ(現バレンシア)を起用したコパ・デル・レイで失格処分となり恥をかいたが、いま振り返ると、悪いことばかりではなかったのかもしれない。

 注目度で2強に及ばないが、リーガ優勝の意外な有力候補ではないか。そう言われ始めているのがアトレティコだ。

 なによりのアドバンテージは、残りの6試合で戦うホームゲームの数だろう。まだ4試合を残している。対するバルサは3試合、マドリーは2試合だ。テクニック以上に気力や精神力がモノを言う終盤戦で、本拠地の声援は選手にとって非常に大きな支えになる。

 勝点と直接対決の数字上もっとも有利なバルサ。ホームゲームを4試合残すアトレティコ。そして肉体的にもっともフレッシュなマドリー。

 これら3つの要素が残り6試合で、どのような形で影響を及ぼすのだろうか。

【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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