２位には、森山泰行監督率いる、朝日インテック・ラブリッジ名古屋が、勝点３差で続いた。県内のチームで育ってきた神谷千菜は、特別指定選手としてプレーしていた名古屋に正式加入すると「慣れた環境で、チームに入りやすかった」と１年目から順応。得点王、敢闘賞、ベストイレブンに輝き、チームの２位躍進の原動力になった。

得点王、敢闘賞、ベストイレブンの神谷千菜

「味方が良いところまでボールを持ってきてくれて、それを流し込むという形も多かったんですが、今はどう動いてボールを受けるのかというのを、プロの試合も見て参考にしながらやっています。少し慣れた環境でチームには入りやすかった。今季は、ちょっとできすぎかなと思います。自分だけの力ではなくて、味方が自分のプレーを出してくれた。個人のプレーを出して、しっかりやり切る部分を突き詰めてやってみたいと思います」

　３位に伊賀FCくノ一、フェアプレー賞は日体大SMG横浜。また、新人王は愛媛FCレディースの田子夏海が受賞した。ベストイレブンは下記のとおり。（）内数字は受賞回数。

田谷春海　GK オルカ鴨川FC（初）

秦美結　DF 伊賀FCくノ一三重（２回目）
渡辺瑞稀　DF スフィーダ世田谷FC（２回目）
長谷川朋佳　DF 朝日インテック・ラブリッジ名古屋（初）

浦島里紗　MF オルカ鴨川FC（２回目）
渡部麗　MF 日体大SMG横浜（初）
小須田璃菜　MF ニッパツ横浜FCシーガルズ（初）
内田美鈴　MF ASハリマアルビオン（初）

神谷千菜　FW 朝日インテック・ラブリッジ名古屋（初）
鈴木陽　FW オルカ鴨川FC（初）
森田美紗希　FW 日体大SMG横浜（初）
 

　２部の優勝はヴィアマテラス宮崎。18試合で67点を挙げる圧倒的な攻撃力を武器にリーグを制した。勝点は46で、２位のJFAアカデミー福島、３位の岡山湯郷Belleに10ポイント差をつける独走Vだった。

　23ゴールを記録した齊藤夕眞は、横山久美（湯郷）らとの争いを制して得点王に輝いた。優勝したから宮崎からは、齊藤が２部リーグMVPを受賞するとともに、坂田美優が新人賞を受賞している。２部のフェアプレー賞はディアヴォロッソ広島だった。

２部MVP、得点王の齊藤夕眞

「チームとして目ざしてきた優勝にたどり着けました。クラブができてから「全員で守備、全員で攻撃」というのをずっとやってきましたが、今年の最後のほうは、もっと攻撃的に、アグレッシブに戦いたいと「何点取られてもいいから、それ以上に取れ」という言葉を監督たちからかけられながら、常にゴールを目ざし、自分だけでなく、多くの選手が得点ランキング上位に入りました。最終戦であそこから巻き返して得点王になれるとは思いませんでしたが、昔の戦友（横山久美）と２試合前に『得点王争いをしっかりしようね』と話をしていたので、最終戦まで気を抜くことなく、チーム勝利のために戦うことができました」

　この他、特別表彰として、200試合出場の奈良美沙季（ニッパツ横浜FCシーガルズ）、小川志保（伊賀FCくノ一）、澤田法味（ノルディーア北海道）、渡辺彩香（静岡SSUボニータ）、南山千明（スペランツァ大阪）と、最優秀審判員賞を小野田伊佐子レフェリーが受賞している。

取材・文●西森彰（フリーライター）

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