【試合内容】
　雨脚が徐々に強まるなかで迎えた序盤は、FC東京がやや押し込む展開となるも、G大阪もブロックを下げて対応。前半終了間際、ボールがゴールラインを割ったように見えた場面でFC東京側の足が一瞬止まり、その隙を突いて遠藤がクロスを送ると、パトリックが合わせてG大阪が先制した。さらに後半早々、宇佐美が追加点を決めてG大阪がリードを広げる。
 
　しかし75分、前田の落としから武藤が反撃の狼煙となるゴールを挙げると、終了間際の90＋１分には武藤が値千金の強烈ミドル。結局、試合は２-２の痛み分けに終わった。
 
【J１ PHOTOハイライト】１stステージ・１節

【J１採点＆寸評】全９カードの評価をチェック！
 
【チーム採点・寸評】
G大阪　5.5
疑惑の判定に助けられる形で先制点を奪い、その後にPKでリードを広げたが、残り15分で大失速。２点を決めたとはいえ、攻撃は迫力を欠き、守備も安心して見ていられるような安定感はなかった。
 
FC東京　5.5
武藤の活躍で辛うじて追いついた事実が示すように、前線の連係はまだ拙い。唯一、前田→武藤のラインでゴールを決めた点は収穫か。一方の守備は、失点シーン以外ではまずまずの安定感を保った。
 
【Ｇ大阪｜採点・寸評】
GK
１　東口順昭　5.5
雨のなかでもセービングは安定していたが、武藤に技ありのゴールを奪われるなど屈辱の２失点。岩下との連係ミスもあった。
 
DF
４　藤春廣輝　６
持ち味の攻撃参加は多くなかったが、機を見た上がりで相手を牽制。中央への絞りもそつがなく、守備のタスクを完遂した。
 
５　丹羽大輝　６
個人の出来は上々で、１対１でも冷静に対応。球際でも気迫溢れるプレーを見せていただけに、２失点目を喫した時の落胆ぶりは想像に難くない。
 
８　岩下敬輔　５
終盤まで中央を固めてボールを弾き返していたが、終了間際に痛恨の判断ミス。無理してクリアする場面ではなく、評価も下げざるを得ない。
 
22　オ・ジェソク　5.5
武藤に何度か起点を作られるなど１対１での対応に苦戦。後半は自陣に張り付くばかりで、攻撃面で突破を見せる場面は皆無だった。
 
MF
７　遠藤保仁　5.5
的確な判断と正確なキックでパトリックのゴールを演出したが、時折不用意なミスもあり、「昨季リーグMVP」に相応しいプレーは見られず。
 
11　倉田 秋　６
藤春の上がったスペースをきっちり埋めるなど守備意識が強く、攻撃面でもチャンスに絡むなど、攻守両面で精力的に走り回った。
 
17　明神智和　６
中央の危険なエリアをカバーし、ベテランらしいポジション感覚を披露。攻撃面は物足りないが、期待されている守備の役割は果たした。
 
19　大森晃太郎　5.5
ボールホルダーに対するアプローチのスピードは最後まで衰えなかったが、この日はシュート０本に終わっており、攻撃面で存在感を示せず。
 
FW
29　パトリック　６
カニーニと激しくやり合うなかで後手を踏んでいたが、遠藤のクロスに反応して先制弾。ただ以降は、エリア内で勝負する場面が訪れなかった。
 
39　宇佐美貴史　６
エリア内でファウルを誘ってPKを奪取。何度か思い切りの良いドリブルで相手を翻弄したものの、「宇佐美タイム」は長く続かず。
 
交代出場
９　リンス　－
スピードを活かしたドリブルでカウンターを仕掛ける場面もあったが、あまりに簡単にボールを失い、攻撃を活性化できなかった。
 
14　米倉恒貴　－
「相手が放り込んでくるのは分かっていた」（長谷川監督）と投入される直前、チームはまさかの２点目を献上。短い時間で見せ場は作れず。
 
監督
長谷川健太　5.5
宇佐美→リンスの交代は既定路線も、終盤の押し込まれる時間帯を凌ぎ切れず。結果論ながら、米倉投入もあと一歩遅かった。