【鳥栖】初の海外タイトルは逃すも無失点の守備に手応え 攻撃の連動性アップが鍵

カテゴリ:Jリーグ

サカクラゲン

2015年02月23日

開幕へ向けてコンディションを上げながら詰めていく段階に。

【鳥栖 0(3PK4)0 BECテロ・サーサナ】鳥栖のフォーメーション。

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「失点ゼロは評価できる」と森下監督は言い切った。
 
 鳥栖は2月21日、タイ・バンコクでチームとして初のタイトルが懸かった国際試合「TOYOTA プレミアカップ2014」に招待出場し、タイの強豪BECテロ・サーサナFCと対戦。0-0から、PK戦の末に敗れた。
 
 試合は、暑さや国際試合の独特な雰囲気など普段のJリーグでは味わえない条件下で行なわれた。しかし、
「ゲーム開始から積極的に行く必要はないと考えて、前半を無失点で抑えて後半に勝負する」(藤田直之)というゲームプランは、しっかりと遂行できた。
 
 それでも、「一人ひとりの運動量が少なくてアイデアも乏しい攻撃だった」と藤田が振り返ったように、沖縄での水戸とのトレーニングマッチで披露した攻撃のバリエーションは見せることはできなかった。
 
 沖縄キャンプ終盤までは「選手個々の動き出しを選手の判断で」(森下監督)行ない、攻撃のバリエーションは確かに増えているように見えた。
 
 しかし、開幕まで2週間を切った段階で、攻撃面での成果を上げられていないことに対しては、「守備は間違いなくでき上がってきている。あとは、攻撃の連動性を高めるだけ」と森下監督も認めざるを得ないようだ。
 
 この試合での最初の選手交代はキム・ミヌだった。左サイドからの突破と得点を期待される攻撃のキーマンだが、62分にペク・ソンドンと交代。韓国代表として臨んだアジアカップから戻ってきた時は調子が良さそうだったものの、ここにきての早々の交代には不安も残る。
 
 左SBに入った吉田との連係も、相手に脅威を与えるまでにはもう少し時間が必要だろう。「まずはコンディションの調整を行ないながら詰めていきたい」と藤田が語るように、新たなユニットの連係、攻撃の連動性は、残り2週間での調整次第だ。

 過酷な条件でのテロ・サーサナ戦は、PK戦の末に惜しくも敗れてしまったが、選手たちのあきらめない姿と「しっかりとした守備」(森下監督)は見せることができた。
 
 攻撃の連動性が見られなかったのは、しっかりと身体を追い込み厳しいキャンプを送ってきたからこそでもある。エース豊田は健在で、早坂もワイドのスペースを使ってボールを引き出す動きを見せている。
 
 あとは、開幕に向けてコンディションを整えることが一番の課題と言える。
 
取材・文・写真:サカクラゲン(フリーライター)

チームの初タイトルを懸けて臨んだテロ・サーサナ戦だったが、惜しくもPK負けという結果に。しかし、守備面では確かな手応えを得た一戦となった。

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■試合の結果
鳥栖 0(3PK4)0 BECテロ・サーサナ
 
 試合開始から慎重な入りで一進一退に。セットプレーは得るものの決定機には至らず、後半は主導権を握られ苦しい展開に。吉田が退場となり守備に追われて引き分けに。PK戦となり6人目が外して敗れる結果に。
 
■指揮官&選手コメント
森下仁志監督
「退場者を出して難しくはなったが、選手はよくやってくれた。暑さのなか、賢くやることが大事だった。後半はプランの変更を余儀なくされた。チームの状態は良い。今日の試合もつながりを持ってやった」
 
藤田直之(MF)
「暑さがあるなか、チームとしての初の国際試合という難しさもあったが、勝てなかったことは悔しい。入りから、前から行く必要はないと判断して後半勝負に懸けた。攻撃面は、沖縄でのトレーニングマッチから一人ひとりの運動量が少なくてアイデアも乏しい。選手同士で声を掛け合ってやるべきだと思う」
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