最後の4試合は1勝2分1敗で状態は上がってきている
湘南はJ1最終節、敵地で松本と引き分け、今季のリーグ戦を終えた。シーズン終盤は清水や川崎に大敗するなど3か月余り勝利が遠のき、残留争いに呑み込まれたが、32節でFC東京戦を1-1とし、33節の広島戦では1-0の勝利。そして松本戦は1-1と、ラスト3試合で1勝2分と持ち直して16位でフィニッシュ。
ひとつの契機は31節のC大阪戦に辿れるだろう。自分たちが培ってきた戦いをいま一度見つめ直し、ラインを高くコンパクトに保って前線からタイトにプレッシャーをかけていく。プレスバックも弛まず、ときにピンチを迎えても粘り強くゴール前で身体を張った。前半を無失点で折り返したのは実に7試合ぶりのことだった。
前向きな守備はさらに、攻撃の呼び水にもなった。守から攻への切り替えは淀みなく、山田直輝らFW陣を筆頭にフィニッシュへと結ぶなど、一度ならず決定機をつくり出した。それでもゴールには届かず、後半の立ち上がりに喫した失点が勝負を分けたが、複数失点を続けていたそれまでの歩みを踏まえても、敗れてなお光射す内容だった。
文字どおり惜敗と呼べるほどにその内容がポジティブだったことは、試合後の山田の言葉にも表れている。
「残りの試合や順位を考えると勝点1でも持って帰りたかったのは正直な気持ち。でも意欲的に自分たちのサッカーをやろうというみんなの気持ちが出ていましたし、やっていてすごく楽しかった。やっぱりこういう気持ちでサッカーができないと、勝つ以前に土俵に立てない。僕らが勝点を取るにはこれしかないので、これを続けるだけだと思います」
ひとつの契機は31節のC大阪戦に辿れるだろう。自分たちが培ってきた戦いをいま一度見つめ直し、ラインを高くコンパクトに保って前線からタイトにプレッシャーをかけていく。プレスバックも弛まず、ときにピンチを迎えても粘り強くゴール前で身体を張った。前半を無失点で折り返したのは実に7試合ぶりのことだった。
前向きな守備はさらに、攻撃の呼び水にもなった。守から攻への切り替えは淀みなく、山田直輝らFW陣を筆頭にフィニッシュへと結ぶなど、一度ならず決定機をつくり出した。それでもゴールには届かず、後半の立ち上がりに喫した失点が勝負を分けたが、複数失点を続けていたそれまでの歩みを踏まえても、敗れてなお光射す内容だった。
文字どおり惜敗と呼べるほどにその内容がポジティブだったことは、試合後の山田の言葉にも表れている。
「残りの試合や順位を考えると勝点1でも持って帰りたかったのは正直な気持ち。でも意欲的に自分たちのサッカーをやろうというみんなの気持ちが出ていましたし、やっていてすごく楽しかった。やっぱりこういう気持ちでサッカーができないと、勝つ以前に土俵に立てない。僕らが勝点を取るにはこれしかないので、これを続けるだけだと思います」
29節の横浜戦から指揮を引き継いで以降、浮嶋敏監督はチームの戦術をあらためて整理し、あわせて苦しい時間を過ごしてきた選手たちの精神面に寄り添ってきた。初陣となったその試合で守備の立て直しを図り、続くG大阪戦ではシュートの意識を引き出した。
くだんのC大阪戦で自分たちらしい戦いをいま一度見つめ直し、FC東京戦では11試合ぶりに先制点を挙げるとともに、優勝争いを演じる相手を土俵際まで追い詰めた。そうしてホーム最終戦では広島から22節・磐田戦以来の勝利を奪い、16位以上を確定させた。
松本戦を終え、齊藤未月は言った。
「大量失点していたところから、最後の4試合は1勝2分1敗ですし、内容的にも戻っていると思う。もう1週チームのみんなと戦えるし、もう1試合ホームでできる。泣いても笑ってもあと1試合、次は集大成として、良いゲームをして勝ちたい」
苦境からまさしく一歩ずつ、彼らは這い上がってきた。最後まで無骨に自分たち自身らしさを貫くまでだ。
取材・文●隈元大吾(フリーライター)