なぜ鹿島は2点差をひっくり返せたのか? 内田篤人が指摘する“守護神の振る舞い”

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年10月04日

やってはいけないことだと分かってはいたが…

劣勢の展開のなか、“闘う”という気持ちを改めて喚起させたクォン・スンテ(水色)の行動がきっかけとなり、鹿島が劇的な逆転勝利を収めた。写真:徳原隆元

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[ACL準決勝①]鹿島 3-2 水原三星/10月3日/カシマ
 
 相手のアフター気味のチャージに、鹿島の選手たちが何度、倒されただろうか。内田篤人は「中盤はやっぱり激しかった。中国のクラブよりも。ランクが上がってきたなっていう」と振り返る。2点を先行された後、オウンゴールで1点を返すも、相手のファウルすれすれのプレーに鹿島はやや押され気味だった。
 
 そんな流れを変えた一因が、守護神クォン・スンテのある行動だったという。
 
「スンテのおかげで“スイッチ”が入った。あれだけガツンといってくれたら。やっぱりあれで、チームが“やらなきゃな”って。誰かがギアを上げないといけないから」
 
 前半の終わり間際だった。鹿島ゴール前での激しい攻防を巡り、敵のイム・サンヒョプの際どいプレーにクォン・スンテが激怒。相手に詰め寄って、頭突きをするような仕草を見せ、小競り合いになる。
 
 レフェリーはクォン・スンテにイエローカードを提示。決して褒められる行為ではないが、“闘う”という気持ちを改めて喚起させるものでもあったようだ。
 
 当の本人は、件の振る舞いについて次のように振り返る。
 
「もったいない失点が続いていて、こういう試合は細かいミスから勝負が分かれるというのは強調しました。もちろん、相手が韓国のチームで、絶対に負けたくない気持ちもありましたし、球際のところで負けて入るのは良くないと思っていました。やってはいけないことだとは分かっていましたが、そういうところで選手にスイッチを入れるためにも、必要かなと考えて。勝って良かったです」
 
 その後、1-2で迎えた後半、鹿島はチーム全体で躍動感が蘇り、84分にセルジーニョが試合を振り出しに戻すゴールを決めると、90+3分に内田が決着をつける一撃を流し込む。“やらなきゃな”と奮い立ったホームチームが執念の逆転勝利でファーストレグを終えた。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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