一時は今後のキャリアが悲観視されたが…
9月21日(現地時間)、ブンデスリーガ2部の第6節が行なわれ、ザンクトパウリが敵地でインゴルシュタットを1-0で下した。
この82分の決勝点となるゴールを決めたのは、70分に交代出場を果たした宮市亮だった。後方からの浮き球の縦パスで抜け出し、跳躍してのヘッドで飛び出したGKの頭上を越し、ゴールネットを揺らしたのだ。
この82分の決勝点となるゴールを決めたのは、70分に交代出場を果たした宮市亮だった。後方からの浮き球の縦パスで抜け出し、跳躍してのヘッドで飛び出したGKの頭上を越し、ゴールネットを揺らしたのだ。
ここまで2勝3敗と黒星が先行していたチームにとって、重要な決勝ゴールとなったが、それ以上にチームメイトやファンを喜ばせたのは、宮市が立て続けに左右の膝前十字靭帯断裂という大怪我を負いながら、これを気力で乗り越えての、実に1年4か月ぶりとなる復帰戦で結果を残したことだった。
今年4月にも復帰間近になって、再び右膝の靭帯の損傷が疑われ、一部の現地メディアからは今後のキャリアに対して悲観的な見方もされたものだが、日本での検査で問題がないことが確認され、以降は復帰に向けて調整を進め、9月6日にはテストマッチでゴールを決めるなど、元気な姿を見せていた。
カウチンスキ監督から「彼は復活できるはずだ」とお墨付きをもらっていた宮市が70分に交代でピッチに立った時、ザンクトパウリの公式ツイッターは「2017年5月31日以来、最初の公式戦だ。おかえり、リョウ!」と、25歳の日本人の帰還を歓迎し、祝福した。
そして、それから12分後に殊勲のゴールを挙げ、いきなりチームを勝利に導いたことについては、「復帰したリョウによって勝利への道が開けた。素晴らしい」と、クラブは喜びを綴っている。
専門誌『Kicker』は「復帰戦を自ら彩った」と報じたが、これ以上ない最高の復帰を果たした宮市。長く苦痛と苦悩を味わい続けた彼が、ここからピッチ上で楽しみながら躍動し続けることを期待したい。