ベルギーのヘントからブンデスリーガのニュルンベルクに1年間のレンタルで加入し、先週末に合流したばかりの久保裕也が8月25日(現地時間)、開幕戦のヘルタ・ベルリン戦で早くもスタメン出場を果たした。
久保について、「調子が良い、チームにフィットすれば出るかもしれない」とミヒャエル・ケルナー監督が予告してはいたが、実際にスタメンが発表されると、「19日に来たばっかりの男だ!」「大丈夫なの?」と不安がるサポーターの声も聞かれた。
試合は立ち上がりから、昨シーズン6位のヘルタ・ベルリンに対し、ニュルンベルクが守備に追われるという展開で進み、27分にはヘルタに先制点を奪われ、前半を0-1で折り返した。
後半、久保は引き続き左サイドハーフで出場。そこでようやく持ち味を発揮するチャンスに恵まれる。
59分、左SBからのロングクロスに反応し、センターサークル付近から猛ダッシュ。ボールに追いつくと、ゴール前へドリブルで運び、ゴールラインぎりぎりの鋭角からシュートを放った。しかしこれは、GKルネ・ヤルスタインに防がれてしまう。
それならばと直後のCKでは、低めのクロスをバックヒールで流し込もうとするが、再びヤルスタインに阻まれた。
久保も絡んだPKのチャンスを活かせず敗北
そして終了間際81分には、久保の動きに合わせてCFのミカエル・イシャクがゴール前にボールを落とす。これをDFが腕で防いだと判定され、ニュルンベルクがPKを得た。
しかし、イシャクがこのPKを外してしまい、試合は0-1のまま終了。1部復帰後の初勝利を飾ることはできなかった。
ヘルタに対して防戦一方だったニュルンベルクに、独メディアはかなり辛口な評価を下しているが、久保には一目置いたようだ。
ドイツのサッカー専門誌『kicker』は、「ニュルンベルクの攻撃は、59分の久保の個人技のみ」と評し、独地元メディア『DONAUKURTIER』は「ヘルタがすべてにおいて上だった」と前置きしたうえで、「ニュルンベルクの新加入選手(久保)は、当初はぎこちなかったが、数少ないチャンスで、守備に力を注ぐチームに攻撃することを思い出させた」と存在感を認めた。
また、ベルギーメディアの『rbb24』は、「ニュルンベルクの得点チャンスは少なかったが、久保の見せた突破のプレーは非常に印象に残った」と称賛している。
今後、チームの柱としての役割が期待されるのは明らかだろう。ニュルンベルクは次節、9月1日(現地時間)にホームでマインツと対戦する。