ユベントスに移籍したクリスチアーノ・ロナウドは7月16日、新天地での入団会見に臨んだ。

　９年間にわたってプレーしたレアル・マドリーを離れる“転機”の一つとなったのが、昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ（CL）準々決勝でユーベと対戦した時の出来事だ。C・ロナウドが敵地で華麗なオーバーヘッドシュートを決めた際に、ユベンティーノ（※熱烈なユーベファン）が、スタンディングオベーションで惜しみない称賛を送ったのである。

　C・ロナウドはイタリア・メディア『Sky Sport』のインタビューで、「特別な瞬間だった。あの最高のゴールを“僕のチーム”相手に決めた時のことを覚えている。ほかにはない瞬間だった」と振り返っている。

「とても満足していた。試合に勝ったことや、スーパーゴールを決めたからだけじゃない。何よりも、ファンが拍手で讃えてくれたことに満足していたんだ。僕にとってはサプライズだったからね。本当に予想外だったんだ。このクラブのことはすでに好きだったけど、あの瞬間からさらに好きになった」
 

　C・ロナウドの加入でユーベ・サポーターが期待するのは、1996年以降遠ざかっている悲願のCL優勝だ。だが、これまでのキャリアで５度のビッグイヤーを手にしてきたポルトガル代表は、「欧州制覇が苦悩だとは見ていない。物事は自然な形で起きるものだ」と強調している。

「チームにはたくさんの選手がいるもので、一つの大会で勝利を手にするには、多くの要素が必要になる。会長からも言われたように、CL優勝は苦悩じゃない。夢なんだ。この４年でユーベがCLを制覇する手助けになりたい。とても難しいことなのは知っている。だけど、可能だと信じているよ」

　マドリーで３年連続欧州制覇を達成したC・ロナウドだが、ともに偉業を成し遂げたジネディーヌ・ジダン（前マドリー監督）は、かつてユベントスでもプレーしたレジェンドだ。

　だが、「ジダンとユーベについて話したか？」と問われたC・ロナウドは、「ユーベの強さを誰かに説明してもらう必要はない。全世界が知っている。過去４年でCL決勝を２回も戦い、セリエAを７連覇している、世界で最も偉大なクラブの一つだ」と返した。

「ユーベの強さはすでに知っていた。だからこそ、僕はこのユニホームを着るチャンスを与えてくれたことに感謝しているんだ。幸せだよ。僕に保証できるのは、チームを助けるために全力を尽くすということ。そして僕は一緒に多くのトロフィーを勝ち取りたいと思っている」

　マドリーでの９年間で４回の欧州制覇を含む通算16のタイトルを獲得したC・ロナウドは、ユーベにいくつのトロフィーをもたらすことができるだろうか。