「勇敢に戦うだけじゃダメなんだ!」敗退決定のサウジ代表に地元紙が悲痛な叫び

カテゴリ:国際大会

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年06月21日

日本と鎬を削ったライバルが無念の2連敗

ウルグアイ戦も内容は悪くなかったが、とにかく最終局面での脆さが祟り、またしても完封負け。もはやサウジの“持病”だ。(C)Getty Images

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 ルイス・スアレスの決勝点で0-1の黒星を喫し、1試合を残してグループリーグ敗退が確定したサウジアラビア代表。2戦連続の完封負けに、全国紙『Arab News』も嘆き節だ。
 
「0-5でなす術がなかったロシア戦(開幕戦)に比べれば、明らかにチームは改善されていた。選手たちには活力が漲っていたし、なによりゴールを奪って勝ち切ろうという積極的な姿勢が見られた。しかしながら、勇敢に戦うだけではダメなのだ。世界最高のトーナメントで結果を出すためには、抜本的な見直しを図らなければならない。これでワールドカップ12試合勝ち星なし。そのうち9試合が無得点だ。現実を重く受け止めるべきだろう」
 
 試合後の記者会見で、サウジのファン・アントニオ・ピッツィ監督は「ロシア戦よりは良い内容だったし、最後まで諦めずに戦い抜いた選手たちを称えたい」と話したうえで、こう続けた。
 
「ボール支配をして敵陣でパスを回していても、我々は最後の局面で切り崩す“道具”を持ち合わせていなかった。ロシアもウルグアイもディフェンスが強かったが、こちらはアイデアに乏しかった」

 
 それを受けて、同紙は以下のように反応している。
 
「まさしくピッツィ監督の指摘する通りだろう。彼は(昨年)11月に就任したばかりで、チームに多くをもたらすには時間が足りなかった。選手たちの経験不足は顕著であり、我々には腰を据えた代表チーム強化が求められている」
 
 あからさまな批判こそ避けているが、悔恨の念がにじみ出ている。
 
 今大会の登録23選手中20名が国内クラブの所属。スペインのクラブに籍を置く3選手にしても冬に移籍したばかりで、サウジ王室が金銭的なバックアップをリーガ・エスパニョーラに保証したことにより実現した。アジアの他の4か国は、主力選手の多くが国外のよりレベルの高い環境下でプレーしている。海外での就労が限定的なサウジではそれ自体が難しかったが、世界に対しての開かれた国作りを目ざすムハンマド・ビン・サルマン皇太子の指導の下、サッカー界にも新風が吹きそうな気配はあるが……。
 
 加えて、繰り返される代表監督の更迭劇を改めなければならないだろう。昨年9月にチームを予選突破へと導いたベルト・ファン・マルバイク監督(現オーストラリア代表監督)が王国およびサッカー協会への不信感から辞意を表明し、後任のエドガルド・バウサは2か月で解任。この5年間でピッツィ監督は7番目の指揮官である。そのスペイン人も、大会後にチームを去るだろう。
 
 アジアではつねに列強と位置付けられ、アジアカップでもかならず上位に食い込むサウジだが、ワールドカップではからっきし。まさに“内弁慶”の典型だろう。はたして全国紙の悲痛な叫びは、王国と協会の耳に届くのだろうか──。
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