ワールドカップ予選でスペインの後塵を拝し、本大会出場を逃したイタリアは、クラブレベルでもリーガ勢にまんまとやり込められた。チャンピオンズ・リーグ（CL）準々決勝第１レグ、ユベントスはレアル・マドリーに０-３、ローマはバルセロナに１-４と、ともに３点差を付けられる手痛い黒星を喫している。

　リバプールに０-３で敗れたマンチェスター・シティを含めた３チームが、非常に厳しい状況に追い込まれたことは疑いようがない。だが、イタリア『Sky Sport』は現地時間４月６日、「逆転は難しい」と認めつつも、決して諦めてはいけないと報じた。

『Sky Sport』によると、前身のチャンピオンズ・カップ時代を含め、３点のビハインドを第２レグでひっくり返したケースは17例もあるという。直近では、昨シーズンの決勝トーナメント１回戦でパリ・サンジェルマンに初戦で０-４と敗れたバルサが、ホームで６-１と大逆転勝利を演じたのが記憶に新しい。

 

　またイタリアのチームは、逆転が十分あり得ることを身を持って経験している。2003‐04シーズン、前年度王者のミランは、デポルティボに初戦で４-１と勝利しながら、敵地で０-４とまさかの黒星を喫し、敗北を味わっている。ちなみにミランは1957‐58シーズンにも３点のリードをひっくり返された経験を持つ。

　ミランといえば、ホーム＆アウェーではないが、2004‐05シーズンの決勝も忘れられない。前半だけで３点をリードしながら、54分から60分までの６分間に３失点を喫して追いつかれ、PK戦の末にタイトルを逃した「イスタンブールの悲劇」だ。

　こうした逆転劇が繰り広げられてきた欧州最高峰の舞台だけに、シティ、ユーベ、ローマの３チームが新たなドラマを作れるかが注目される。

　ただし、ユーベのサポーターにだけ、残念なデータがある。３点のビハインドから逆転した過去の17例は、いずれも第２レグをホームで戦っているのだ。本拠地アリアンツ・スタジアムでマドリーに屈したユーベが、敵地サンチャゴ・ベルナベウで開催される第２レグで逆転に成功すれば、CL史上初の快挙となる。