「サイドから攻めた方がチャンスを作れると思い変更した」
[J1リーグ4節]鳥栖0-1鹿島/3月18日/ベアスタ
14分に先制点を許した鳥栖は、明らかにリズムを掴めずにいた。サイドを起点に複数人が連動したパスワークを見せる鹿島に対し後手に回り、耐える時間が長くなったのだ。
状況を変えようと、前半終了間際にマッシモ・フィッカデンティ監督が動く。ダイヤモンド型の中盤をフラットな並びにチェンジ。右インサイドハーフの福田晃斗を左サイドハーフ、トップ下の小野裕二を右サイドハーフに回し、高橋秀人と原川力がダブルボランチを形成する。鹿島の4-4-2に合わせる形を採ったのだ。
イタリア人指揮官は試合後の記者会見で、采配の意図を明かした。
「(ボランチの)三竿健選手と永木選手が真ん中をしっかりと固めていたので、サイドから攻めた方がチャンスを作れると思い、(4-3-1-2から)4-4-2へ変更した。サイドからしつこく攻めることで、いくつかチャンスを作れたのではないか」
実際、この決断によって流れは変わった。前半は思うようにプレーに関与できなかった福田が左サイドで躍動。左SBの吉田豊と連係して、崩しにかかった。結果的にゴールを奪えなかったものの、可能性は感じさせた。
14分に先制点を許した鳥栖は、明らかにリズムを掴めずにいた。サイドを起点に複数人が連動したパスワークを見せる鹿島に対し後手に回り、耐える時間が長くなったのだ。
状況を変えようと、前半終了間際にマッシモ・フィッカデンティ監督が動く。ダイヤモンド型の中盤をフラットな並びにチェンジ。右インサイドハーフの福田晃斗を左サイドハーフ、トップ下の小野裕二を右サイドハーフに回し、高橋秀人と原川力がダブルボランチを形成する。鹿島の4-4-2に合わせる形を採ったのだ。
イタリア人指揮官は試合後の記者会見で、采配の意図を明かした。
「(ボランチの)三竿健選手と永木選手が真ん中をしっかりと固めていたので、サイドから攻めた方がチャンスを作れると思い、(4-3-1-2から)4-4-2へ変更した。サイドからしつこく攻めることで、いくつかチャンスを作れたのではないか」
実際、この決断によって流れは変わった。前半は思うようにプレーに関与できなかった福田が左サイドで躍動。左SBの吉田豊と連係して、崩しにかかった。結果的にゴールを奪えなかったものの、可能性は感じさせた。
そもそもフィッカデンティ監督は、試合中のシステム変更を積極的に行なう。今季リーグ戦を振り返っても、下記の通り全試合で手を打ってきた。
1節 神戸戦(1-1の引き分け) 4-3-1-2 → 5-3-2
2節 長崎戦(2-2の引き分け) 4-3-2-1 → 4-4-2
3節 横浜戦(2-1で勝利) 4-3-1-2 → 4-4-2 → 5-3-2
1節はインフルエンザのため指揮を執ることができなかったが、代行のブルーノ・コンカ(コーチ)は1点をリードした後半に5バックを選択。戦術に関しては、スタッフの全員が考えを統一できていると言えるだろう。また2節の長崎戦では、後半途中からの英断により、2点のビハインドを追いつく。フィッカデンティ監督の修正力が光った一戦だった。
確かに、これら試合中のシステム変更によって、リズムを掴む試合は少なくない。だが一方で、ゲームの入り方に関しては、課題があると言えそうだ。今節の鹿島戦を例にすれば、相手が中盤フラットの4-4-2を採用してくることは分かっていたはず。結果論ではあるが、序盤から明らかにシステム上の噛み合わせが悪かった鹿島に対し、立ち上がり数分の時点で、同じ陣形でミラーマッチを挑むという選択肢もあっただろう。もちろん、キックオフ時から、これを採用する手もあったはずだ。
次節の相手である名古屋は、J1でも屈指のパスワークを誇る。上手く対応できなければ、自由にボールを回されてしまうだろう。そう考えれば、やはりスタート時から相手の長所を消す何らかの策が必要になるし、鹿島戦のように相手に流れを渡したまま前半を過ごしてしまっては勝利は覚束ない。
アンカーを置く4-3-3が基本形の名古屋に対して、例えば3トップ(または1トップ+2シャドー)を採用して、前線からハイプレスを仕掛ける形はどうか。あるいは5バックで中央を固め、FWにスピードのある田川亨介を起用し、ロングカウンターを狙うやり方もできる。豊富な引き出しを持つイタリア人指揮官の采配に要注目だ。
取材・文●梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)
1節 神戸戦(1-1の引き分け) 4-3-1-2 → 5-3-2
2節 長崎戦(2-2の引き分け) 4-3-2-1 → 4-4-2
3節 横浜戦(2-1で勝利) 4-3-1-2 → 4-4-2 → 5-3-2
1節はインフルエンザのため指揮を執ることができなかったが、代行のブルーノ・コンカ(コーチ)は1点をリードした後半に5バックを選択。戦術に関しては、スタッフの全員が考えを統一できていると言えるだろう。また2節の長崎戦では、後半途中からの英断により、2点のビハインドを追いつく。フィッカデンティ監督の修正力が光った一戦だった。
確かに、これら試合中のシステム変更によって、リズムを掴む試合は少なくない。だが一方で、ゲームの入り方に関しては、課題があると言えそうだ。今節の鹿島戦を例にすれば、相手が中盤フラットの4-4-2を採用してくることは分かっていたはず。結果論ではあるが、序盤から明らかにシステム上の噛み合わせが悪かった鹿島に対し、立ち上がり数分の時点で、同じ陣形でミラーマッチを挑むという選択肢もあっただろう。もちろん、キックオフ時から、これを採用する手もあったはずだ。
次節の相手である名古屋は、J1でも屈指のパスワークを誇る。上手く対応できなければ、自由にボールを回されてしまうだろう。そう考えれば、やはりスタート時から相手の長所を消す何らかの策が必要になるし、鹿島戦のように相手に流れを渡したまま前半を過ごしてしまっては勝利は覚束ない。
アンカーを置く4-3-3が基本形の名古屋に対して、例えば3トップ(または1トップ+2シャドー)を採用して、前線からハイプレスを仕掛ける形はどうか。あるいは5バックで中央を固め、FWにスピードのある田川亨介を起用し、ロングカウンターを狙うやり方もできる。豊富な引き出しを持つイタリア人指揮官の采配に要注目だ。
取材・文●梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)