「日本をフリーキック大国にしたい」という三浦淳寛氏の熱い思いを乗せた『高校生フリーキック選手権2017東京都大会 supported by スカサカ!』が、港区の東京工業大学附属科学技術高校のグラウンドで行なわれた。
ルールはいたってシンプルで、簡単に言ってしまうとPK合戦のFK版。特徴的なのは決められたポイントであればどこにボールを置いても構わないという点だ。5人が蹴って勝負がつかない場合はサドンデスへ。逆に守備側は、4名の壁と1人GKを選出。15秒以内に壁をセットし、あとはゴールを守るだけというもの。大会には19チーム、約120名が参加し、熱戦が繰り広げられた。
開会式で三浦氏は「やるからには優勝目指してやってほしい。本気でやると悔しいはず。もし負けたときは、本気で悔しがってください。それが成長につながる」と選手たちに檄を飛ばし、大会は幕を開けた。
序盤はゴールの上へ大きく外してしまう選手が多く見受けられたが、合間に行なわれた三浦氏によるFKのデモンストレーションの成果もあってか、決勝トーナメントに入るころには、蹴り出されるボールの質にも変化が見られ、ゴールネットを揺らす回数も増えていった。
予選4グループのそれぞれ上位2チームが決勝トーナメントに進出。決勝戦では2本のFKを成功させた「駒澤C」が「東工大B」を下し、2017東京都大会優勝の栄冠を手にした。
決勝戦の主審を務めた元国際審判員の西村雄一氏は、閉会式で「日本代表になって、“ここでFKを決めたから今があるんです”というコメントを待っています。ぜひ頑張ってください!」と選手たちの将来に期待を込め、大会を締めくくった。
来年度も関東エリアを中心にフリーキック選手権を実施していく予定。「日本にはフリーキッカーがいないんじゃない、やってないだけ。この大会が練習をするきっかけになってほしい」と語った三浦氏。「フリーキック大国」を目指すプロジェクトから今後も目が離せない。
取材・文:手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)