2ゴールデビューのポドルスキが、不得手な“頭”でも決められたワケ

カテゴリ:Jリーグ

橋本啓(サッカーダイジェスト)

2017年07月30日

「練習の時から前を向いた状態で撃てば、高い確率でシュートを決めている」(松下)

Jデビュー戦で2ゴールを奪ったポドルスキ。今後への期待感が膨らむパフォーマンスを示した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ19節]神戸3-1大宮/7月29日/ノエスタ

 圧巻の2ゴールだった。

 この日がJリーグデビューとなった元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキは、2トップの一角で先発出場。敵のタイトなマークに苦しんだ前半こそ目立った働きを見せられなかったが、世界的ストライカーはここぞで輝きを放った。

 49分、渡邉千真が放ったシュートがDFに撥ね返された流れから、ゴールほぼ正面で松下佳貴のパスを受けると、利き足の左足を強振。シュートは凄まじい勢いを維持したままゴール右へと突き刺さった。

 衝撃の来日初ゴールから12分後、世界に名を轟かせてきたストライカーは、またも見せ場を作る。

 1-1の同点で迎えた場面で、大森晃太郎からの右クロスに対して、DFふたりを上手く身体で抑えながらヘディング。難しい体勢ではあったが、絶妙なコースを突いたこのシュートが決まって勝利を引き寄せたのである。

 2ゴールとも技術の高さが際立つものだったが、とりわけ、“黄金の左”と称される得意の左足から決めた1点目は、まさにワールドクラス。「ペナルティエリアの外からの一振りで得点になるので、とんでもない」(橋本和)と、チームメイトも驚愕した一撃を止めるのは、GKからしても至難の業だろう。

「練習の時から前を向いた状態で撃てば、高い確率でシュートを決めている」(松下)と証言するように、左足のシュートは驚異的な威力を秘めている。実際、この試合でもその力を知らしめた。

 一方、2点目のヘディングに関しては、こんなデータがある。

 ドイツ代表時代に奪った全49得点のうち、ヘディングでのものはわずかに2ゴール(※左足/42ゴール、右足/5ゴール:『サッカーダイジェスト[8.10号]より)。つまり、“頭”は不得手としてきたのだ。

 もっとも、本人にはそうした意識はないようで、「ヘディングでのゴールは珍しいが?」との問いに対しては、「どういう形でゴールしたかは関係ない。全部が頭も足もってことはないし、今日はたまたま頭にボールが来た。それで点が取れた。相手がちょっと(背が)低かったこともあるし、アドバンテージがあったんじゃないかと思う」とコメント。

 チームを勝利へ導く2ゴールを決めたポドルスキの勢いは、果たして加速していくのか。そのプレーから、目が離せない。

【神戸3‐1大宮 PHOTO】ホームデビューのポルディが2発!神戸が大宮に完勝!

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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