5月13日、ブンデスリーガ第33節が行なわれ、マインツは4-2でフランクフルトを下した。
残留争いの渦中にあるマインツにとってこのホームゲームは、上位チームとの対決とはいえ、絶対に勝たなければならないものだったが、そんな重要な一戦で武藤は6試合ぶりのベンチスタートとなった。
ともに攻め合いながらゴールにまでは至らない展開のなか、試合が動いたのは42分。フランクフルトが、バルコックのアシストを受けたフルゴタのシュートで先制点を奪ったのだ。アウェーチームはさらに、50分にセフェロビッチがこぼれ球を詰めて追加点を奪う。
2点のビハインドを強いられて追い詰められたマインツだったが、ここから猛反撃が始まった。
60分、まずは抜け出したコルドバがGKとの1対1を制して1点を返す。さらにその2分後には、FKからベルがヘディングシュートを決めて同点。ますます、マインツの勢いは強まった。
そして76分、待望の逆転ゴールが生まれる。殊勲の1点を奪ったのは、後半からピッチに立っていた武藤だ。ボジャンのクロスに頭で合わせると、ボールはゴール左隅へ! 今シーズン通算5ゴール目は、これ以上ないほど貴重な一撃となった。
アディショナルタイムにも、武藤はペナルティーエリア内でドリブル勝負を仕掛けて相手のファウルを誘い、PKをゲット。デ・ブラシスがこれを成功させ、マインツは4-2で勝利。残留のための貴重な勝点3を、劇的なかたちで奪った。
ホーム最終戦ということもあり、試合後はピッチが興奮冷めやらぬサポーターで埋め尽くされ、オペル・アレナはひと足早い、残留の祝賀会場となった。シュミット監督も「昨シーズンの欧州カップ戦出場権争いよりも盛り上がった」と語っている。(『アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙より)
マインツは勝点を37に伸ばして13位に浮上。以下の順位の通り、入れ替え戦に回る16位(ハンブルク)とは勝点2の差しかないが、最終節では15位と16位が直接対決を行なうため、仮にマインツが敗れ、他がどのような結果になっても、マインツは有利な状況にある。
順位:チーム(勝点・得失点差)・最終節の対戦相手(順位)
13位:マインツ(37/-9)・ケルン(7位)
14位:アウクスブルク(37/-16)・ホッフェンハイム(3位)
15位:ヴォルフスブルク(37/-17)・ハンブルク(16位)
16位:ハンブルク(35/-29)・ヴォルフスブルク(15位)
※自動降格圏の17位(インゴルシュタット)と18位(ダルムシュタット)は決定
逆に言えば、もし今回のフランクフルト戦で敗北、あるいは引き分けに終わっていれば、マインツは非常に厳しい状況に追い込まれていた。それゆえ、この勝利、そして決勝点となった武藤のゴールの価値は高いと言えよう。
最終節は5月20日、今節同様、全9試合が同時刻(日本時間22時30分)に開始される予定だ。
【ハイライト動画】武藤が極上の輝きを放つ!逆転弾&PK奪取で残留へ獅子奮迅の活躍|マインツ 4-2 フランクフルト
最終節で15位と16位が対決するため、マインツは極めて有利


待望の勝ち越しゴールに、武藤も喜びと興奮を抑えられず、思わずユニホームを脱いで警告を受けたが、全くに意に介さず。最終節のケルン戦では、よほどの大差で敗れない限り、残留が決まる。 (C) Getty Images