中国スーパーリーグの上海申花に所属するFWのカルロス・テベスは、負傷で試合を欠場した日に上海ディズニーランドで休暇を楽しんでいたとして批判を受けている。英紙『ザ・サン』など各国メディアが伝えている。
 
　昨年12月にボカ・ジュニオルスから上海申花に移籍したテベス。3800万ユーロ（約46億6000万円）とも言われる巨額の年俸も相まって、その動向は大きく注目を集めることになった。
 
　そんな元アルゼンチン代表FWは、開幕からスーパーリーグで４試合連続フル出場していたが、４月15日に行なわれた長春亜泰戦（５節）をふくらはぎに違和感があるとして欠場。だが、同日に上海ディズニーランドを訪れていたことがSNS上で発覚。波紋を呼んでいる。
 
　中国紙『上海文匯報』は、「チームが３試合も勝てていない状況下で、レジャー施設に出かけるのは、クラブに対する敬意の欠如に他ならない」と糾弾。テベスは９位（16チーム中）と低調なチームの象徴とされてしまっている。
 
　これを受けて、再燃しているのが、“ボカ復帰プラン”だ。アルゼンチン紙『オレ』は、ボカで会長を務めているダニエル・アンジェリッシが、「私はテベスを復帰させたいと思っている」とアイドルの帰還について語ったことを伝えた。
 
　同会長は、「あくまで個人的な想いだよ。テベスの意志を尊重する」としつつも、「彼は素晴らしい選手であり、私は大きな愛情を抱いている。８月にはクラブのマーケティングで中国に行く。そこで彼と家族と話すだろう」と、テベスに復帰を働きかけることを明かした。
 
　現在、アルゼンチン・リーグで２位のニューウェルスに勝点５差をつけて首位に立っているボカ。テベス退団後のチームを支えているのは、サンパウロ（ブラジル）からレンタル移籍中のリカルド・セントゥリオンだ。
 
　テベスから10番を受け継いだそのアルゼンチン人MFとの契約が今年６月31日で切れるため、ボカはシーズンが終了する６月末にテベスとセントゥリオンを天秤にかけると言われている。しかし、アンジェリッシ会長は答えを焦ってはいないようだ。
 
「我々は両選手と契約するか、もしくは新たなスターを獲りに行く。まだ、わからないよ。ただ、確実なのは来シーズンの目標がリベルタドーレス優勝だということだ」
 
　なお、テベスと上海申花との契約には、「11月までに中国に馴染めなかった場合、現役引退かボカ復帰を選択できる」という条項が含まれており、ボカは放出時の移籍金1100万ユーロ（約13億5000万円）の60％に当たる660万ユーロ（約７億9000万円）を支払えば再獲得できることになっている。
 
「ボカのユニホームを着ることは俺を幸せにする」と愛着のあるボカでの引退を事あるごとに公言してきたテベス。しかし、退団の際には、「勝てば娘とレストランにいけるが、負ければ街中で殺されかねない。とても困難な社会だよ」と、アルゼンチン・サッカー界への苦言を呈してもいた。
 
　そうしたなかで、33歳となったベテランストライカーはいかなる決定を下すのか？