イタリアやウルグアイの推進力は凄いと思うので後追いになったらやられる。
[練習試合]U-20日本代表 4-1 千葉/4月18日/フクアリ
対戦相手は決まった。あとは高い意識を持って、プレーするのみ――。
内山ジャパンの常連FWである岩崎悠人は、世界基準を意識しながら、フクダ電子アリーナのピッチに立っていた。
【U-20日本代表候補PHOTO】千葉との練習試合は小川や橋岡、遠藤の計4発で快勝!
「世界の凄いところは、最後に必ず仕事をするということ。決めるべきところできっちりと決めて来る。ドイツ遠征でドイツ代表と戦った時も、それを痛感した。僕らはよりその精度を上げていかないといけない」
FWとして少しでも多くチャンスを作り出し、さらにそれを決め切る力を求められる。それこそが自分に与えられた役割だと自覚している。U-20ワールドカップのメンバーに入るだけでなく、どうすれば世界の舞台でFWとしての己の能力を発揮できるか。岩崎は日々、それを自問自答していた。
「重要なのは前向きにプレーすること。イタリアやウルグアイは推進力が凄いと思うので、後追いになったらやられてしまう。常に前向きにプレーができるように動きに工夫をしないといけない」
千葉合宿最終日の千葉とのトレーニングマッチ。岩崎は1本目(30分×3本)のスタメンで出場すると、千葉の高いディフェンスラインを搔い潜るために、素早い動き出しで相手の裏のスペースを狙い続けた。
「Uの字で動きながら、スペースに抜け出すことを考えた。あとは中盤以降の選手とアイコンタクトをしてから動き出すことを意識した」
2トップのコンビを組んだFW小川航基のポジションを常に意識をしながら、ボールが来なくても献身的に、かつアグレッシブに動き続ける。その動きに徐々に千葉守備陣の歪みが生じ始めると、8分、一本のディフェンスラインからの縦パスによって小川の先制弾が生まれた。18分には、岩崎自らがドリブルで仕掛け、強烈なミドルシュートを放った。
2本目はベンチに下がった岩崎だが、2−1で迎えた3本目に再び出場。今度はFW田川亨介と2トップを組み、小川の時と変わらず、田川のポジションを意識しながら、献身的かつアグレッシブに動いた。
71分、右サイドをドリブル突破した岩崎は、田川へ狙い澄ましたセンタリング(これは田川が合わせきれなかった)。77分、今度は左サイドでボールを受けると、前線に飛び出したMF遠藤渓太へ正確なラストパス。遠藤のドリブルシュートは枠を越えたが、チャンスメーカーの役割を確実にこなした。
岩崎自身のゴールこそなかったが、彼の動きはまさしく前線に活力を与えた。単調なロングボールが増える傾向にあったこの試合で、岩崎の存在は大きなアクセントになっていた。
「前が停滞してしまうと、何もできなくなってしまうので、僕が何度も裏に抜け出して、久保(建英)君や小川君などが飛び込めるスペースを空けながら、自分も前を向いてプレーしたい」
最終メンバー入りへ激しい競争が続くFWのポジションだが、彼の献身性と質の高い動きは必ずや重要な武器となるはず。あとは内山篤監督の判断次第だが、前線で活力をもたらす存在として、欠かせないピースであることをこの一戦で改めて印象づけたことは間違いないだろう。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
対戦相手は決まった。あとは高い意識を持って、プレーするのみ――。
内山ジャパンの常連FWである岩崎悠人は、世界基準を意識しながら、フクダ電子アリーナのピッチに立っていた。
【U-20日本代表候補PHOTO】千葉との練習試合は小川や橋岡、遠藤の計4発で快勝!
「世界の凄いところは、最後に必ず仕事をするということ。決めるべきところできっちりと決めて来る。ドイツ遠征でドイツ代表と戦った時も、それを痛感した。僕らはよりその精度を上げていかないといけない」
FWとして少しでも多くチャンスを作り出し、さらにそれを決め切る力を求められる。それこそが自分に与えられた役割だと自覚している。U-20ワールドカップのメンバーに入るだけでなく、どうすれば世界の舞台でFWとしての己の能力を発揮できるか。岩崎は日々、それを自問自答していた。
「重要なのは前向きにプレーすること。イタリアやウルグアイは推進力が凄いと思うので、後追いになったらやられてしまう。常に前向きにプレーができるように動きに工夫をしないといけない」
千葉合宿最終日の千葉とのトレーニングマッチ。岩崎は1本目(30分×3本)のスタメンで出場すると、千葉の高いディフェンスラインを搔い潜るために、素早い動き出しで相手の裏のスペースを狙い続けた。
「Uの字で動きながら、スペースに抜け出すことを考えた。あとは中盤以降の選手とアイコンタクトをしてから動き出すことを意識した」
2トップのコンビを組んだFW小川航基のポジションを常に意識をしながら、ボールが来なくても献身的に、かつアグレッシブに動き続ける。その動きに徐々に千葉守備陣の歪みが生じ始めると、8分、一本のディフェンスラインからの縦パスによって小川の先制弾が生まれた。18分には、岩崎自らがドリブルで仕掛け、強烈なミドルシュートを放った。
2本目はベンチに下がった岩崎だが、2−1で迎えた3本目に再び出場。今度はFW田川亨介と2トップを組み、小川の時と変わらず、田川のポジションを意識しながら、献身的かつアグレッシブに動いた。
71分、右サイドをドリブル突破した岩崎は、田川へ狙い澄ましたセンタリング(これは田川が合わせきれなかった)。77分、今度は左サイドでボールを受けると、前線に飛び出したMF遠藤渓太へ正確なラストパス。遠藤のドリブルシュートは枠を越えたが、チャンスメーカーの役割を確実にこなした。
岩崎自身のゴールこそなかったが、彼の動きはまさしく前線に活力を与えた。単調なロングボールが増える傾向にあったこの試合で、岩崎の存在は大きなアクセントになっていた。
「前が停滞してしまうと、何もできなくなってしまうので、僕が何度も裏に抜け出して、久保(建英)君や小川君などが飛び込めるスペースを空けながら、自分も前を向いてプレーしたい」
最終メンバー入りへ激しい競争が続くFWのポジションだが、彼の献身性と質の高い動きは必ずや重要な武器となるはず。あとは内山篤監督の判断次第だが、前線で活力をもたらす存在として、欠かせないピースであることをこの一戦で改めて印象づけたことは間違いないだろう。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)