ライバル久保のゴールは素直に「嬉しかった」と振り返る。
3月25日、28日にタイ戦を控える日本代表が、埼玉県内でトレーニングを行なった。約1時間半の練習後、MF本田圭佑が取材に応じている。
2-0でUAEを下した3月23日のアウェーゲームではベンチスタートで、78分からの途中出場だった本田。代わって右ウイングで久保裕也が13分に先制ゴールを奪っている一戦を、次のように振り返った。
「結果重視の試合だった。そういう意味では、言うことなかった。失点しなかったし、早めに先制点を奪えた。(久保のゴールは)嬉しいですよ。危機感がないって意味ではなくて、これがサッカーのスタンダードですしね。僕がミランでもここ(日本代表)でもポジションを取られているってだけの話で、これは起こりうる現実。むしろそれくらいのレベルに日本代表がなってきたって証拠だし、ここで僕がまた競るようになってポジションを奪い返す状況になれば、もっと日本代表が良くなる」
本田はこのUAE戦で78分からピッチに立ち、アディショナルタイムを含めて15分間ほどプレーしたが、1ゴール・1アシストの久保を凌駕するような大きなインパクトを残せず。自身のパフォーマンスに関しては、「(自分がピッチに立った時は)相手もばてていたし、ゴールが欲しかった。あと10分くらい時間があれば、もう1、2個はビッグチャンスがあったかなと」と振り返った。
代表戦では昨年11月のサウジアラビア戦に続く2試合連続の先発落ち。これはやはり、所属するミランで出番がないこと(開幕から7か月を経過した現時点でプレータイムはわずか95分間)が原因だと本人も自覚している。
「いま(日本代表で)出れていないのは、チーム(ミラン)で出れていないのがひとつの大きな要因だと思います。この状況を打開する『場』がない。『いったい今の本田はどういうプレーをするのか』ってたぶんみんなが分からない。そこだけです。でも、また見せることができて、点を取れれば、『やっぱこれくらいはできるんだな』となって、またチャンスは出てくる」
ガンバ大阪のジュニアユースからユースに昇格できなかった15歳の時のエピソードをはじめ、本田のサッカー人生は常に「逆境」と「挑戦」の繰り返しで、それを乗り越えることでキャリアを切り開いてきた。そして、ミランでも日本代表でもプレータイムが限られる現状も、本人いわく「楽しい」のだという。
「いま楽しいんですよ。こういうことが起これば起こるほど、自分自身を試されている気がして。また右肩上がりにしていくためにどうしてこうか、それを考えている自分が好きだし、それを乗り越えた時に自分を見て喜んでくれる人を見るのも好きなんです。だから、この状況をとても楽しんでいます。道筋は見えているけど、それを話すと長くなるんで(言わない)。今やれることはやるだけです」
長きに渡って日本代表を牽引してきた本田は、若手とチームの成長を喜ぶ一方で、このまま引き下がるつもりも毛頭ない。久保が好調だけにタイ戦は再びベンチスタートが有力だが、ピッチに立った時はやはりこの男から目が離せない。
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
2-0でUAEを下した3月23日のアウェーゲームではベンチスタートで、78分からの途中出場だった本田。代わって右ウイングで久保裕也が13分に先制ゴールを奪っている一戦を、次のように振り返った。
「結果重視の試合だった。そういう意味では、言うことなかった。失点しなかったし、早めに先制点を奪えた。(久保のゴールは)嬉しいですよ。危機感がないって意味ではなくて、これがサッカーのスタンダードですしね。僕がミランでもここ(日本代表)でもポジションを取られているってだけの話で、これは起こりうる現実。むしろそれくらいのレベルに日本代表がなってきたって証拠だし、ここで僕がまた競るようになってポジションを奪い返す状況になれば、もっと日本代表が良くなる」
本田はこのUAE戦で78分からピッチに立ち、アディショナルタイムを含めて15分間ほどプレーしたが、1ゴール・1アシストの久保を凌駕するような大きなインパクトを残せず。自身のパフォーマンスに関しては、「(自分がピッチに立った時は)相手もばてていたし、ゴールが欲しかった。あと10分くらい時間があれば、もう1、2個はビッグチャンスがあったかなと」と振り返った。
代表戦では昨年11月のサウジアラビア戦に続く2試合連続の先発落ち。これはやはり、所属するミランで出番がないこと(開幕から7か月を経過した現時点でプレータイムはわずか95分間)が原因だと本人も自覚している。
「いま(日本代表で)出れていないのは、チーム(ミラン)で出れていないのがひとつの大きな要因だと思います。この状況を打開する『場』がない。『いったい今の本田はどういうプレーをするのか』ってたぶんみんなが分からない。そこだけです。でも、また見せることができて、点を取れれば、『やっぱこれくらいはできるんだな』となって、またチャンスは出てくる」
ガンバ大阪のジュニアユースからユースに昇格できなかった15歳の時のエピソードをはじめ、本田のサッカー人生は常に「逆境」と「挑戦」の繰り返しで、それを乗り越えることでキャリアを切り開いてきた。そして、ミランでも日本代表でもプレータイムが限られる現状も、本人いわく「楽しい」のだという。
「いま楽しいんですよ。こういうことが起これば起こるほど、自分自身を試されている気がして。また右肩上がりにしていくためにどうしてこうか、それを考えている自分が好きだし、それを乗り越えた時に自分を見て喜んでくれる人を見るのも好きなんです。だから、この状況をとても楽しんでいます。道筋は見えているけど、それを話すと長くなるんで(言わない)。今やれることはやるだけです」
長きに渡って日本代表を牽引してきた本田は、若手とチームの成長を喜ぶ一方で、このまま引き下がるつもりも毛頭ない。久保が好調だけにタイ戦は再びベンチスタートが有力だが、ピッチに立った時はやはりこの男から目が離せない。
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)