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【選手権】前橋育英の2年生CBが見せた努力の結晶。「こだわって練習してきた」フィードで決勝点を演出

カテゴリ:Jリーグ

安藤隆人

2017年01月07日

左足からの高精度フィードで、佐野日大の守備陣を無力化した。

出場停止明けの角田(3番)は、左足からフィードで決勝点の起点になった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[選手権準決勝]前橋育英 1-0 佐野日大/2017年1月7日/埼玉 

 高性能の左足と、高い守備センスを持つ2年生CB角田涼太朗が、磨き上げて来た持ち味を発揮した。
 
 最大の武器は精度の高い左足のキック。もともと飛距離があり、コントロールも良かったが、不得意な部分があった。それは“同サイドへのフィード”だ。逆サイドの裏やサイドチェンジのキックの精度は高いが、同サイドへのボールはどうしても山なりのボールが多く、チャンスを生み出すようなキックは少なかった。
 
 だが、今年に入り、「ライナーのボールにこだわって練習をしてきた」と、より自分の武器を確固たるモノにするために、軸足の踏み込み、膝下のスイング、上半身の姿勢を意識し、縦にまっすぐにライナーボールを蹴る練習を意識的に行なった。同い年のCB松田陸とふたりでロングボールを蹴り合い、一つひとつ質にこだわって蹴り続けた結果、同サイドへのフィードはチームにとっても大きな武器になった。
 
 この武器が準決勝の大舞台で、チームを決勝に導く決勝弾を生み出した。3回戦で通算2枚目のイエローカードをもらって、準々決勝の滝川二戦は出場停止。1試合空いて、フレッシュな状態でこの試合に臨んでいた彼のキックは、立ち上がりから冴え渡っていた。
 
 30分、「飯島が同サイドに抜けて行くことは分かっていた」と、素早い動き出しで左サイドのスペースに飛び出して行ったFW飯島陸(2年)に、角田の左足からライナーのスピードボールが届く。飯島のスピード、タイミングを完全に理解して繰り出したフィードに、5バックを敷く佐野日大守備陣は誰も反応できなかった。
 
 飯島はそのままドリブルでサイドをえぐり、余裕を持って中央のMF高沢颯(3年)へマイナスの折り返し。高沢が正確なシュートで、しっかりと対角を射抜いた。
 
 その後も角田は、相手5バックに生じた一瞬の隙を突くように、縦パスやサイドへの展開で攻撃のリズムを作ると、守っては数少ない相手のチャンスもしっかりと抑えて、完封勝利に貢献した。
 
「今大会はキックの調子が良くて、通せる部分が増えて来た。キックの質が上がって来たおかげだと思います」
 
 埼玉スタジアムは角田にとっての地元。中学時代は浦和ジュニアユースでプレーした。ずっと外から見ていた埼玉スタジアムのピッチで、彼は成長の跡を示した。選手権初優勝を狙う決勝の舞台でも、角田は磨き上げた自分の武器を存分に発揮してくれるだろう。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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