［高校選手権・２回戦］帝京長岡（新潟） ２(４PK３)２ 高川学園（山口）／12月31日／NACK５スタジアム大宮

　帝京長岡は12月31日、全国高校サッカー選手権の２回戦で高川学園と対戦。38分に先制されると、40＋１分に追加点を献上。０－２のまま試合終盤を迎えたが、後半40＋１分にMF水澤那月が得点すると、その１分後にFW児山雅稀のゴールで追いつき、PK戦に持ち込む。これを４－３で制し、３回戦に進出した。 

　PK戦で２本をストップし、チームの勝利に貢献したのが、２年生GK仲七璃だ。相手の１本目、５本目を見事に止めてみせた。

　このPK戦では、なんとしてもチームの力になりたかった。前半終了間際の２失点目では、相手のロングキックへの対応を誤り、失点してしまった。そんな背景があり、仲は言葉に詰まりながら、こう振り返った。

「前半の２失点目は自分のミスで失点して、（PK戦では）止めるしかないって思ったので、喜びよりも勝たせることができたというホッとした気持ちが強かったです。１人目の選手に関しては、データがあるなかで最後、判断してシュートに対しては手を出して止められました。

　５人目の選手は、状況的に止めたら、その瞬間に勝ちが決まる場面でした。自分が迷惑をかけたぶん、チームのみんなにプレッシャーを与えないように、早めに試合を終わらせようという気持ちが強く、あの１本は自分の気持ちが出ました」
 

　メンタルをどう切り替えたのかと尋ねると、「引きずって消極的なPK戦になっても意味がないですし、ここで止められなかったら３年生は引退でした。引きずっている時間もなかったので、すぐに切り替えられました」と答えた。

　劇的な逆転勝ちだった。仲は「チームとしても個人としても、成長できた１試合」と話す。その勝利に貢献した守護神の今後の活躍に注目だ。

取材・文●高校サッカーダイジェスト編集部

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