［高校選手権・２回戦］12月31日

　12月31日、第104回全国高校サッカー選手権は首都圏の８会場で２回戦・16試合が開催され、３回戦に進むベスト16が確定した。

　２回戦最大の注目カードとなったのが、青森山田と大津のプレミアリーグ勢対決だ。チケット完売のフクアリ会場ではヒリヒリした緊迫した攻防戦が繰り広げられ、前半をスコアレスで終える。大観衆を最初に沸かせたのは、大津だった。後半８分、右サイドで粘ったFW山下が中央へ折り返すと、走り込んだMF山本が強烈ボレーでインパクト。これが見事にネットに突き刺さり、大津が先手を取る。そして25分、大津は味方シュートのコースが変わり、ゴール前で呼応した大黒柱のDF村上慶が冷静に決めて２点差。大津が２－０で死闘を制し、ベスト16に名乗りを上げた。

　いきなり開始１分12秒にゲームが動いたのは、興國vs浜松開誠館の一戦だ。興國はロングスローが相手ゴール前にこぼれたところを、新潟内定DFの松岡が押し込んで早々と先制に成功。その後は互いになかなぁビッグチャンスを掴めず、実力伯仲の好勝負が展開される。そして次の得点を奪ったのは浜松開誠館だった。後半19分、MF岡田のスルーパスを受けたMF間渕が左足で同点弾を決めたのだ。80分間で勝負はつかず、ゲームはPK戦に突入。興國が３－１で競り勝ち、次ラウンドに駒を進めた。

　攻撃力が自慢の堀越と圧巻の走力を誇る宇治山田商の対戦は、前半23分に均衡が破れる。堀越は前回大会得点王のFW三鴨がみずから得た直接FKを、ゴール前20メートルから鮮やかにねじ込んで先制。さらに堀越は37分、MF谷口昊が相手DFの股を抜くミドルシュートで追加点を奪取する。後半11分には中央を抜け出した三鴨がＧＫをも交わしてチーム３点目。その後も谷口昊がハットトリックを達成するなど加点した堀越が、終わってみれば９―０の大勝を飾った。

　Nack5会場の第２試合では高川学園と帝京長岡の実力校対決が実現。ファーストシュートを先制点につなげたのは高川学園。前半38分、DF沖藤が左サイドから供給したクロスにMF庄司がドンピシャヘッドで応えた。するとその２分後、今度は沖藤がショートコーナーから狙いすましたロングショットを蹴り込んで２－０。俄然優位に試合を進めた高川学園だったが――。

　ここからミラクルが起こる。帝京長岡は後半40＋１分にMF水澤豪快ヘッドで１点を返すと、なんとその１分後には１年生FW児山がこぼれ球に鋭く反応して、土壇場で同点に追いついたのだ。勝敗の行方はPK戦に委ねられ、勢いを持ち込んだ帝京長岡が４－３で制した。
 

　２回戦の全結果は以下の通り。

【12月31日／２回戦】
神村学園（鹿児島） 6-0 東海学園（愛知）
日大藤沢（神奈川） 2-0 岡山学芸館（岡山）
神戸弘陵（兵庫） 2-1 前橋育英（群馬）
鹿島学園（茨城） 1-0 金沢学院大附（石川
流経大柏（千葉） 3-0 米子北（鳥取）
大分鶴崎（大分） 1-0 奈良育英（奈良）
昌平（埼玉） 4-0 高知（高知）
東福岡（福岡） 6-0 秋田商（秋田）
水口（滋賀） 3-1 広島皆実（広島）
聖和学園（宮城） 3-1 徳島市立（徳島）
尚志（福島）2-1 山梨学院（山梨）
堀越（東京Ａ） 9-0 宇治山田商（三重）
大津（熊本） 2-0 青森山田（青森）
富山一（富山） 3-0 佐賀東（佐賀）
帝京長岡（新潟） 2(4PK3)2 高川学園（山口）
興國（大阪） 1(3PK1)1 浜松開誠館（静岡）

構成●高校サッカーダイジェスト編集部
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