「返ってはこないけど…」エースと2年生DFを相次いで亡くした奈良育英の主将が天国の友に送ったLINE、約束の1勝。スタンドのサプライズに「正直、もう試合前から泣きそうで」
カテゴリ:高校・ユース・その他
2025年12月29日
PK戦の末に矢板中央に勝利
[高校選手権・1回戦]奈良育英(奈良)2(3PK2)2矢板中央(栃木)/12月29日/ゼットエーオリプリ
12月29日に行なわれた第104回全国高校サッカー選手権の1回戦で、5年連続出場の奈良育英が、常連校の矢板中央と対戦。2-1とリードして迎えた後半アディショナルタイムに失点して追いつかれたものの、PK戦を3-2で制して、4年ぶりの初戦突破を決めた。
その奈良育英には、どうしても勝利を届けたい人がいた。今年7月に白血病でこの世を去った3年生の10番・森嶋大琥さんと、8月に交通事故で他界した2年生のDFの東愛流さんだ。
この日、スタンドには「大琥・愛流と共に闘え!!」との横断幕が掲示された。引退した選手たちが中心になってサプライズで用意したもので、キャプテンのGK内村篤紀は「今日知った」という。
「(試合前にスタンドの方に挨拶に行った時に横断幕を見て、)愛流と大琥の応援歌も歌ってくれていて、正直、もう試合前から泣きそうで」
試合前には、天国の2人にLINEで「今日初戦やから、勝つよ」とメッセージを送信。勝利を誓った。
「返ってはこないけど、どこかでスマホを見てると自分は思ってるんで。必ず見てるだろうなと思いながら、僕は送っています」
12月29日に行なわれた第104回全国高校サッカー選手権の1回戦で、5年連続出場の奈良育英が、常連校の矢板中央と対戦。2-1とリードして迎えた後半アディショナルタイムに失点して追いつかれたものの、PK戦を3-2で制して、4年ぶりの初戦突破を決めた。
その奈良育英には、どうしても勝利を届けたい人がいた。今年7月に白血病でこの世を去った3年生の10番・森嶋大琥さんと、8月に交通事故で他界した2年生のDFの東愛流さんだ。
この日、スタンドには「大琥・愛流と共に闘え!!」との横断幕が掲示された。引退した選手たちが中心になってサプライズで用意したもので、キャプテンのGK内村篤紀は「今日知った」という。
「(試合前にスタンドの方に挨拶に行った時に横断幕を見て、)愛流と大琥の応援歌も歌ってくれていて、正直、もう試合前から泣きそうで」
試合前には、天国の2人にLINEで「今日初戦やから、勝つよ」とメッセージを送信。勝利を誓った。
「返ってはこないけど、どこかでスマホを見てると自分は思ってるんで。必ず見てるだろうなと思いながら、僕は送っています」
いつも通り、ベンチに掲げられた10番と13番のユニホームにタッチする時には、「今日やるよ」と声をかけた。
「(その行為で)前向きに、やったろうっていう力に変えられる。ゲーム中のしんどい時とかに、チームに声をかけたりとか、気持ちの部分がとてもつながった」
もちろん、2人が急逝した後には、チーム全体に気持ちが入らなかった時期もあった。ただ、内村を中心に「下を向いてたらあかんと」と徐々に前を向けるようになったという。
今大会、森嶋さんは予選に続いて登録メンバーに入った。その分、ベンチ入りの人数はひとり減る。それでも、一緒に戦いたいという思いからだった。
「僕もチームのみんなも、そのことに対して反対する意見は一つもなくて。やっぱり全員が育英のエースは森嶋大琥と思っているからこそ、 10番を大琥で登録してと、全員がたぶん思っていた」
そう話す内村にとって、森嶋さんの存在はピッチ内外で大きかった。
「育英の10番、エースで、困ったときに頼れる存在。大琥に思い切ってロングボール入れたら、一人で局面を打開したりとか。サッカー以外の部分でも、ムードメーカーで、面白いことを言ったりとか。大琥も愛流もそういう人柄だったので、助かっていた」
そんな友を突然失った喪失感や悲しみを残り越えて、全国の舞台で掴んだ1勝。その姿は、天国の2人に届いたはずだ。
そして、キャプテンの元には、きっとLINEの返信が来ているはずだ。
「おめでとう、次も勝ってくれ」と――。
取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)
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「(その行為で)前向きに、やったろうっていう力に変えられる。ゲーム中のしんどい時とかに、チームに声をかけたりとか、気持ちの部分がとてもつながった」
もちろん、2人が急逝した後には、チーム全体に気持ちが入らなかった時期もあった。ただ、内村を中心に「下を向いてたらあかんと」と徐々に前を向けるようになったという。
今大会、森嶋さんは予選に続いて登録メンバーに入った。その分、ベンチ入りの人数はひとり減る。それでも、一緒に戦いたいという思いからだった。
「僕もチームのみんなも、そのことに対して反対する意見は一つもなくて。やっぱり全員が育英のエースは森嶋大琥と思っているからこそ、 10番を大琥で登録してと、全員がたぶん思っていた」
そう話す内村にとって、森嶋さんの存在はピッチ内外で大きかった。
「育英の10番、エースで、困ったときに頼れる存在。大琥に思い切ってロングボール入れたら、一人で局面を打開したりとか。サッカー以外の部分でも、ムードメーカーで、面白いことを言ったりとか。大琥も愛流もそういう人柄だったので、助かっていた」
そんな友を突然失った喪失感や悲しみを残り越えて、全国の舞台で掴んだ1勝。その姿は、天国の2人に届いたはずだ。
そして、キャプテンの元には、きっとLINEの返信が来ているはずだ。
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