冨安健洋は12月16日、板倉滉が所属するアヤックスと契約したことが発表された。

　度重なるケガに悩まされ、アーセナルとの契約を解消して約５か月。復帰への一歩を踏み出した男の完全復活を、誰もが望んでいる。周知のとおり、能力に議論の余地はない。だからこそ、フリーになって以降、冨安の新天地をめぐる報道は後を絶たなかったのだ。

　古巣ボローニャの専門サイト『Bologna Sport News』は12月17日、冨安のアヤックス加入が決まったことを伝え、「トミヤスは多くのボローニャサポーターの心に残っている」と報じた。

「ボローニャの状況を考えると、自然と疑問が湧き上がる。ボローニャはトミヤスを獲得してもよかったのではないだろうか？　そうかもしれない。だが、クラブは別の評価を選んだ」
 

　同メディアは「ボローニャの状況は万全ではない。マルティン・ヴィティークとニコロ・カザーレは起用できず、ジョン・ルクミとトルビョルン・ヘッゲムは疲れている様子。適応しなければいけないことがしばしば」としつつ、ボローニャが冨安復帰に動かなかった理由について見解を示している。

「日本人選手は『ぜいたくなフリー』だった。だが、ボローニャのスタッフがいくつかのことを考えたのは確かだろう」

「まずはフィジカルコンディションだ。１年以上離脱していたDFを獲得するのは、保証と同義にならない。そして状況を考えれば、別の選手を狙ったほうが良い。そしてボローニャの哲学は周知のとおりだ。それは多くの場合無名に近い若手タレントを育てるということ。トミヤスとは少し異なる」

　ボローニャ時代に守備の国イタリアでも高く評価された冨安だけに、アーセナル退団後は強豪の関心もうわさになった。ただ、最終的には、長期にわたって戦列を離れていたこともあり、本格的に動くことはなかったようだ。冨安には、その選択を後悔させるような活躍を期待したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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