日本代表GKの鈴木彩艶は、負傷で長期離脱となってからも、強豪移籍の可能性が騒がれてきた。ただ、ビッグクラブが有望な選手を注視するのは日常茶飯事だ。マーケットにおける状況は日々刻々と変わる。鈴木の今後についても、明確なことはまだ分からない。

　パルマで評価を高めてきた鈴木は、先日から同じイタリアの名門インテルとミランからの関心が報じられてきた。だが来季、日本人守護神が青黒ないし赤黒のユニホームを着るとは限らない。

　インテルは正守護神ヤン・ゾマーとの契約が今季で満了する。さらに控えGKジョゼップ・マルティネスは秋に起こした交通事故の影響が懸念されているところだ。そこで補強を見据えていると言われ、候補のひとりとして鈴木の名前もあがった。

　だが、移籍市場に精通するファブリツィオ・ロマーノ記者や『Gazzetta dello Sport』紙によると、インテルはトッテナムのグリエルモ・ヴィカーリオを狙っているようだ。母国復帰を望んでいるとも言われる同選手の獲得は、イタリア人選手を重視する近年のインテルの方針とも一致する。

　これを受け、パルマ専門サイト『Parma Live』は「あり得ないシナリオがない限り、来季スズキをインテルで見るというセンは冷え切った」と報じた。

「その結果、来季もパルマに残るという可能性が増す」
 

　一方、ミランが鈴木に注目しているのは、正守護神マイク・メニャンとの契約が今季までだからだ。フランス代表GKは以前からプレミアリーグ移籍の可能性が取りざたされている。

　だが、ロマーノ記者によると、チェルシーはロベルト・サンチェスに満足し、今季ストラスブールにレンタル中のマイク・ペンダースを将来に向けた長期計画と考えているとのこと。そのため、メニャンとはフリー移籍に関する新たな交渉は行われていないという。

　これを受け、Parma Liveは「夏に日本人守護神はメニャン退団の際の後釜候補のひとりとされていたが、パルマは高い評価額で壁をつくった」と報じている。

「いくつかの浮き沈みあるパフォーマンスと手の負傷を受け、彼の評価は下がるかもしれない。ただ、ミランで彼を見ることになる可能性は、メニャンの決断次第でもあるだろう。今後のさらなるニュースが待たれる」

　いずれにしても、まずは復帰してからの鈴木のパフォーマンスが注目される。ワールドカップでの出来次第で、ビッグクラブの獲得希望が再燃することもあり得るだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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