「私たちは日本のアニメーションが本当に大好きなんだ」
[U-20W杯]日本0-1フランス/10月9日/エスタディオ・ナシオナル・フリオ・マルティネス・プラダノス
U-20日本代表の試合は、まるでホームのような雰囲気だった。
チリで開催されたU-20ワールドカップ、10月9日のラウンド16・フランス戦(0−1)に詰め掛けたサポーターは約1万5千人。9月30日のホスト国・チリとのグループステージ第2戦(2−0)は圧倒的アウェーの環境で戦ったが、約1週間後のフランス戦では、試合中にスタンドのそこかしこから自然発生的に“ハポン(日本)”コールが鳴り響いた。
延長後半の終了間際にPKで決勝点を与えて敗れたものの、試合後にもスタジアム中からエールが贈られた。
地球の裏側までやってきた日本人サポーターが地元民を巻き込んだ点はもちろんあるのだが、こうした雰囲気が出来上がったのにはふたつの要因がある。
ひとつ目がチリに根付く“オタク文化”だ。日本のアニメ、漫画に対する見識が深く、街中では至るところで“メイドインジャパン”の創作物が見られる。特にアニメは大人気。フランス戦に訪れた地元メディアのレポーターに話を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「チリではオタク文化が非常に盛んで、私たちは日本のアニメーションが本当に大好きなんだ」
U-20日本代表の試合は、まるでホームのような雰囲気だった。
チリで開催されたU-20ワールドカップ、10月9日のラウンド16・フランス戦(0−1)に詰め掛けたサポーターは約1万5千人。9月30日のホスト国・チリとのグループステージ第2戦(2−0)は圧倒的アウェーの環境で戦ったが、約1週間後のフランス戦では、試合中にスタンドのそこかしこから自然発生的に“ハポン(日本)”コールが鳴り響いた。
延長後半の終了間際にPKで決勝点を与えて敗れたものの、試合後にもスタジアム中からエールが贈られた。
地球の裏側までやってきた日本人サポーターが地元民を巻き込んだ点はもちろんあるのだが、こうした雰囲気が出来上がったのにはふたつの要因がある。
ひとつ目がチリに根付く“オタク文化”だ。日本のアニメ、漫画に対する見識が深く、街中では至るところで“メイドインジャパン”の創作物が見られる。特にアニメは大人気。フランス戦に訪れた地元メディアのレポーターに話を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「チリではオタク文化が非常に盛んで、私たちは日本のアニメーションが本当に大好きなんだ」
そうした文化を知ってか知らずか、チリ人のハートをくすぐったのが、キャプテン・市原吏音(大宮)の振る舞いだった。これがふたつ目の理由である。
9月27日に開催されたエジプトとの開幕戦(2−0)。前半にPKで市原がネットを揺らすと、大人気アニメ“僕のヒーローアカデミア”に登場する主人公『デク』のポーズをゴールセレブレーションで披露し、観客の心を鷲掴みにした。
「アニメのこともあったので、日本に対する応援が大きくなった」と先のチリ人レポーターが明かしたように、ニュージランドとの第3戦(3−0)は50人を超える地元サポーターが集結。このフランス戦でも会場全体が日本を応援する声に包まれた。
フランスがボールを持てばブーイングが鳴り響き、日本が良いプレーを見せれば拍手が鳴り止まない。そんな光景に船越優蔵監督も選手たちに「ここは俺たちのホームだぞ」という言葉を投げかけたという。
大会前から指揮官は「地元サポーターに応援されるチームになろう」と話していた。世界一は果たせなかったが、もうひとつの目標は達成できたのは確かだ。
「ホームのような雰囲気を作り出してくれたチリの人には感謝しかない」とは市原の言葉。もちろんサッカーで魅了し、組織力を活かした攻撃的なスタイルも人々の心を打ったのだが、興味を惹きつけるうえで“アニメ”というツールが大きな影響を与えた。
今までのアンダー世代のW杯で日本の選手が、これほどまでに人気を集めたケースはなかったように思える。試合後、市原は再びチリメディアに囲まれ、身振り手振りを交えながら最後の言葉を交わしていたことからも注目度の高さが見て取れた。
「スタジアム中から日本、日本とコールしてもらえた。本当にチリの人には頭が上がらない」(船越監督)。
サッカーと“オタク文化”が繋いだ摩訶不思議な縁。U-20日本代表は志半ばで無念の帰国となるが、チリの人々にはきっと忘れられない記憶を刻んだはずだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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9月27日に開催されたエジプトとの開幕戦(2−0)。前半にPKで市原がネットを揺らすと、大人気アニメ“僕のヒーローアカデミア”に登場する主人公『デク』のポーズをゴールセレブレーションで披露し、観客の心を鷲掴みにした。
「アニメのこともあったので、日本に対する応援が大きくなった」と先のチリ人レポーターが明かしたように、ニュージランドとの第3戦(3−0)は50人を超える地元サポーターが集結。このフランス戦でも会場全体が日本を応援する声に包まれた。
フランスがボールを持てばブーイングが鳴り響き、日本が良いプレーを見せれば拍手が鳴り止まない。そんな光景に船越優蔵監督も選手たちに「ここは俺たちのホームだぞ」という言葉を投げかけたという。
大会前から指揮官は「地元サポーターに応援されるチームになろう」と話していた。世界一は果たせなかったが、もうひとつの目標は達成できたのは確かだ。
「ホームのような雰囲気を作り出してくれたチリの人には感謝しかない」とは市原の言葉。もちろんサッカーで魅了し、組織力を活かした攻撃的なスタイルも人々の心を打ったのだが、興味を惹きつけるうえで“アニメ”というツールが大きな影響を与えた。
今までのアンダー世代のW杯で日本の選手が、これほどまでに人気を集めたケースはなかったように思える。試合後、市原は再びチリメディアに囲まれ、身振り手振りを交えながら最後の言葉を交わしていたことからも注目度の高さが見て取れた。
「スタジアム中から日本、日本とコールしてもらえた。本当にチリの人には頭が上がらない」(船越監督)。
サッカーと“オタク文化”が繋いだ摩訶不思議な縁。U-20日本代表は志半ばで無念の帰国となるが、チリの人々にはきっと忘れられない記憶を刻んだはずだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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