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一風変わった地元クラブの専門店。「ウラワは良い試合をしていた」地球の裏側のサッカーファンに驚き【U-20W杯戦記】

カテゴリ:連載・コラム

浅田真樹

2025年10月01日

ホスト国と対戦。したたかに2-0で勝利

サンティアゴの新市街にあるお店では、レアグッズが手頃な値段で売られていた。写真:浅田真樹

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 今でこそ、世界のサッカーの中心地と言えば、ヨーロッパの一強になってしまったが、歴史をさかのぼれば、南米がヨーロッパと双璧を成す時代は間違いなくあった。

 ことクラブチームの争いにおいては、資金力の違いから、ヨーロッパに大きく水をあけられてしまった感のある南米も、人々の日常生活にどれだけサッカーが浸透しているかという点においては、いまだヨーロッパに引けを取らないどころか、ヨーロッパを上回るとさえ言ってもいい。

 とにかく、南米のサッカー熱はハンパなものではなく、街はサッカーであふれていると言っても大げさではない。

 実際、南米の国に取材へ行くと、時折、マニアックなサッカーグッズを扱う店に遭遇するから面白い。

 今回もU-20ワールドカップの取材で訪れたチリの首都、サンティアゴの新市街を歩いていて、ちょっと変わった店に出くわした。

 そこは、お客さんが3人も入れば、身動きが取れなくなるほどの小さな店。その店内には古いユニホームやTシャツ、あるいは雑誌などが所狭しと置かれているのだが、そのすべてが地元クラブ、ウニベルシダ・デ・チリのものなのだ。

 チリのサッカークラブと言えば、過去にトヨタカップで来日したこともあるコロコロが、おそらく最も有名だろう。

 しかし、ともにサンティアゴをホームとする歴史あるクラブではあるものの、店員の男性は「コロコロは長年のライバル。この店にコロコロのものはない」とキッパリ。

 しかも、ウニベルシダ・デ・チリの専門店でありながら、ショッピングモールで見かけるような最新のユニホームはなく、ちょっとしたアンティークものばかりが並んでいるのである。
 
 なかには、少し色あせたようなものもあるが、そのすべてが売り物。日本円で1万円近くもする最新ものに比べ、手頃な値段で売られている。

 狭い店内に変わった品ぞろえとあって、こちらが興味津々で眺めていると、「どこから来たんだ?」と男性店員。日本から来たことを告げると、彼は「おお、そうか」と、嬉しそうに続けた。

「ウラワ(浦和レッズ)がクラブ・ワールドカップに出ていたよな。リーベル(・プレート)との試合をテレビで見たよ」

 そればかりか、彼は「ウラワは良い試合をしていた」と言い、「負けはしたけど、それも良い経験になったはずだ」と、Jクラブを称賛。

 たまたま知り合った地球の裏側のサッカーファンが、日本のクラブを知っていたこと。そして、その時に見た試合を覚えていてくれたことに驚いた。

 翻って、U-20ワールドカップである。日本はグループステージ第2戦で地元チリと対戦した。

 会場は、4万4千人を超える大観衆が詰めかけたエスタディオ・ナシオナル(国立競技場)。圧倒的不利なアウェーゲームとあって、日本の選手たちが浮足立っても不思議はなかったが、それでも落ち着いた戦いを見せた日本は、したたかに2-0の勝利を収めた。

 2025年の今年、おそらくチリの人々の記憶に刻まれたのは、リーベルに惜敗したウラワだけではないだろう。

 地元期待の若きラ・ロハ(チリ代表)を下したU-20代表もまた、チリのサッカーファンに日本サッカーの躍進を強く印象づけたに違いない。

取材・文●浅田真樹(スポーツライター)

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