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世界のサッカー大会が大きく様変わりするなか、E-1選手権はもはや必要なのか。アジア内でもアップデートできないと世界から取り残される 【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:日本代表

小宮良之

2025年08月18日

日本がこの大会を戦う意味がどれだけあったか?

3連勝でE-1選手権を制した日本代表。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 世界のサッカー大会の枠組みは、この5年、10年で大きく様変わりしている。

 筆頭であるワールドカップは2026年大会から出場国が32か国から48か国に激増。欧州ではUEFAネーションズリーグが2018-19シーズンから2年ごとに開催されている。

 クラブレベルでも、チャンピオンズリーグは36チーム出場と大幅に大会を拡大し、グループリーグではなく、リーグフェーズが行われ、試合数が増えた。また、今年はクラブ・ワールドカップがほぼ1か月にわたって行われ、未曽有の大きなトーナメントになった。

 マーケティング優先主義が横行し、とにかく試合数が増えていると言えるだろう。選手の負担は大きく、危惧すべき点が少なくない。興行面で成果を出しているのは間違いないし、スペクタクルな試合も観られるわけだが...。

 たとえばE-1選手権はもはや必要な大会か?スタジアムには閑古鳥が鳴いていた。欧州組を呼ぶことはできず(FIFAのマッチデーではないため)、話題性も乏しい。大会のレベルも、控え目に言って低かった。

 香港は何もかも低い水準で、選手たちが健闘したのは間違いないが、技術、戦術、体力と一定基準に達していない。日本に対し、序盤で大量失点したのは“名前に怯み過ぎた”からだろうが...。

 中国も巨額の資金を投じ、強化を続けてきたはずだが、初手で間違っていた。代表選手たちは骨格、体格ばかり優れているが、キックやコントロールに根本的な問題がある。育成面で本質的な問題があり、どこを評価すべきか、ポイントがずれていて、サッカーの頭の良さやタイミング、強度の中での技術へのフォーカスなどが欠如しているのだ。

「カンフーサッカー」

 そう揶揄された危険な反則が少なくなったことだけが、彼らの進歩と言える。
 
 韓国は中国ほどひどくないが、フィジカル的には優れているものの、ピッチの中で気の利く技術やビジョンを感じさせる選手が乏しい。単純なパスミスも多かったし、ゴールに近づくにつれ、技術に綻びが出ていた。

 日本戦、韓国が追いつくためにとった唯一の手段は、長身選手を前線に投入するパワープレーだった。短いパスやドリブルを使った崩しはなく、クロスの精度も低く、ミスキックがゴール方向へ行ってチャンスになったが...日本のサイドはセンターバックとウィングバックの間に隙があり、そこをもっと多く崩せたはずだ。

 日本は、この大会を戦う意味がどれだけあったか?

 優勝という結果は素晴らしい。ただ、地盤沈下した東アジアでのタイトルは、進むべき航路を誤らせる可能性もある。たとえば「長友佑都のキャプテンシーで感動の優勝」という伝え方は危険だ。

 アジア内でも大会の形をアップデートできないと、世界から取り残される。

文●小宮良之

【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。

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