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PK失敗から2年、あの日の涙を超えて。悔しい準優勝も、大津のDF村上慶が見せた成長と覚悟「やることしか考えていなかった」【総体】

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2025年08月03日

「2年生には何も責任を背負わずに…」

PKを外した松岡(左)に駆け寄り、声を掛けた大津のDF村上(右)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[総体決勝]神村学園 2(7PK6)2 大津/8月2日/Jヴィレッジスタジアム

 高卒でのプロ入りが有力視される大津のDF村上慶(3年)にとって、インターハイは苦い思い出が残る大会だった。

 ルーキーながらも定位置を掴んだ2年前の大会では、初戦の2回戦で市立船橋と対戦。2-2で迎えたPK戦で9番目のキッカーを務めたが、ゴールネットを揺らせず涙を飲んだ。優勝候補との声が多かった昨年は1回戦で、先制点を奪いながら阪南大高に逆転負け。過去の記憶を上書きするために、今大会での活躍は必須だった。

「自分が入学する前まではインターハイでベスト8に入ったり、先輩方が良い結果を残していたのに、自分が入学してからの2年間は初戦敗退が続いていた。でも、自分たちの代では絶対に経験したものを共有して挑める大会だと思っていた」

 そう振り返る通り、これまで積み上げてきた経験を無駄にしない。

 1回戦の丸岡戦ではチームの今大会初ゴールを叩き込むと、2回戦の八戸学院野辺地西戦でもCKのこぼれ球を思い切りよく狙って2点目をマーク。3回戦と準々決勝ではアシストを記録するなど、DFの選手とは思えない攻撃力の高さを見せつけた。

 迎えた準決勝の相手は昨年度の選手権3回戦で敗れた流経大柏。シーズン当初から「流経大柏には負けられない。絶対にやりたい」と口にしていた村上は、並々ならぬ思いを抱いて試合に挑んだ。

 危機察知能力の高さを活かした守備で相手のサイド攻撃に蓋をするなど、持ち味を発揮する一方、「攻撃は視野が狭くなり、相手の勢いに押されていた」ため、今大会猛威を振るった攻撃参加の回数は少なかった。

 沈んだままで終わらないのは彼の良さと言えるかもしれない。中ゼロ日で迎えた決勝は立ち上がりから右サイドを駆け上がりながら、タイミングを見て内側に切り込んでいくなど特徴を発揮する。
 
 より色が出始めたのは、右SBから3バックの左に入ってからだった。

「自分的には左の方が攻撃しやすくて、カットインやゴールに直結するクロスを上げやすい。それが後半初めからプレーできたのは大きな収穫だったと思います」

 そう口にする村上は、後半14分に左クロスからFW山本翼(2年)の先制点をアシスト。1-2で迎えた延長後半2分にも、MF岩﨑天利(3年)のゴールをお膳立てした。

 8日で6試合を戦った影響もあり、試合終盤は足を吊る選手が続出。村上自身も苦しい表情を見せていたが、最後まで走り続けた。

「熊本で応援してくれているサッカー部のみんなや、クラスメイトからメッセージをもらって、気持ちが奮い立った。サッカー部のみんなの顔を思い出したら、やるしかない。試合が終わったら何もないので、残すこともない。足を吊っても良いし、怪我をしても良いので、やることしか考えていなかったです」

 2-2で迎えたPK戦では2番手のキッカーとして登場し、確実にゴールネットを揺らした。1年生で出場したインターハイで外して以来「嫌なイメージを持っていた」というPKだったが、前日の流経大柏戦でも成功しており、もうネガティブなイメージはないだろう。

 8番手のキッカーを務めたFW松岡凛(2年)のキックが枠から外れた際は、誰よりも真っ先に彼のもとに駆け寄り、声を掛けた。チームを勝たせることができず、涙を流した過去の自分と重ね合わせていたのかもしれない。

「自分たちがゴールを決めることができた場面はあった。PK戦に持ち込んだ3年生たちの責任。2年生には何も責任を背負わずにインターハイで頑張ってほしいと考えていた」

 悔しい大会の去り方になってしまったが、過去を断ち切るだけのパフォーマンスを見せ、結果を見せた大会になったのは間違いない。高校生活も残りわずか。視線はすでに最後を締めくくる選手権に向いている。

「冬に向けて、まず生活の部分から、チーム全体で規律のところをより正していきたい。チーム全体がインターハイの準優勝を良い形で受け取れるか、受け取れないかは、自分たちがどのような伝え方をするかが大事。200人以上いるチーム全員で、冬の選手権に向けてより進化していけるよう頑張っていきたいです」

 冬はさらに逞しくなった姿を見せてくれるはずだ。

取材・文●森田将義

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