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CB高井幸大、FW山田新が海外移籍...天皇杯でJ3・16位の相模原に敗戦した川崎で期待したいクラブを支える“残された者たち”の意地

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2025年07月17日

PK戦の末に力尽きる

悔しい敗戦となった川崎。脇坂、佐々木らが語ったようにここから立て直せるか。写真:福冨倖希

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[天皇杯 3回戦]川崎 0(1PK3)0 相模原/7月16日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 川崎にとっては痛い敗戦となった。

 天皇杯3回戦では、今季のJ3で16位と苦戦する相模原の守備を最後まで崩せずにPK戦の末に力尽きた。

 エクスキューズはある。直近の鹿島戦を最後にCBの主軸に成長した20歳の高井幸大がトットナムに移籍し、25歳のFW山田新も海外挑戦のためにチームを離脱。攻守の柱を欠いて迎えた初戦はやはりチグハグさが目立ってしまった。

 自慢のパスワークに乱れが生じ、相手の5バックに快足のマルシーニョの前のスペースなどを防がれると、ロングパスも活用して打開を試みたが、ゴールは遠いままだった。

「チャンスがあったかもしれませんが、取れていないことが現実に起きた。私自身、積み上げてきたものがこれなのか、そういう想いです。失点しないというスタンスは守れたと思います。それは良かった」

 長谷部茂利監督も自責の念を込めながらやや厳しい言葉で振り返った。

 キーマンたちの海外移籍が続くなか、守備を固めた相手や強度の高いプレスをかけてくるチームを前に、いなす技術力がこの相模原戦を筆頭に少なくなっているのはやはり不安材料である。

 今季はそうした際に、“最終ラインの司令塔”とばかりに川崎育ちの高井が巧みで鋭い縦パスを供給してリズムを作ったが、彼の不在は今後も響きそうだ。CFエリソンの離脱が続く中、この日は37歳の小林悠を先発起用し、19歳の神田奏真を途中投入し、ともに奮闘したが、働き盛りの山田の穴も大きいと言える。
 一方で、大きな目標としていたE-1選手権の日本代表から外れた大卒4年目、25歳の佐々木旭は、今季はSBとして出色の出来を見せてきたが、この日は昨季のようにCBとして途中出場。本人の心にはSBとして勝負をしたいとの想いもあるようだが、「自分が引っ張っていかなくてはいけないという気持ちは常に持ってきましたし、(高井)幸大、(山田)新もそうでしたが、誰かが抜ければ誰かが出てくるもの。自分もノボリさん(登里享平)が移籍したり、怪我人が出て成長できた部分があったので、今を全員がチャンスだと捉えながらチームを勝たせられる存在になっていければ良いと思います」と語る。

 キャプテンの脇坂泰斗も口にした。

「(海外挑戦は)彼(山田新)が掴み取ったもの。大卒って時間がないなかで、2、3年で海外の道を掴むのは簡単なものではない。Jリーグで結果を残さないとチャンスは生まれない。

 フロンターレも大卒でも海外に飛び立てるようになった。ひとつクラブとして大きくなって注目されているんだろうなと感じますし、僕は8年間、見送ることも多いので、彼らの活躍は喜ばしいですが、彼らが抜けてから良い結果を残せていないので、残っている身としてすごく責任を感じる。

 この前のACLでタイトルを獲れず、天皇杯も負けてしまったので、残された者がクラブのために何ができるかが大事。まだまだ上についていくためにも勝って行きたい」

 活躍すればキーマンたちが次々に引き抜かれるというジレンマを抱えながら、特異な技術力を活かしたサッカーを持続するのは高難度なミッションだ。

 そのなかで一時代を築いた鬼木達監督から今季バトンを受けた長谷部監督は守備面の立て直しに手腕を発揮しているが、攻撃面の構築はさらなる発展が求められるのだろう。

 もっともリーグは先日の鹿島との大一番を制したことで首位の柏とは勝点6差の6位。中3日で迎えるアウェー・G大阪戦は120分を戦い抜いたあとのゲームだけに厳しい戦いになるだろうが、相手もJ2の山形にPK戦の末に敗れている。

 次節にしっかり勝ち、高井、山田の穴を少しでも埋めることができるか。大事なポイントが続いていくなかで、川崎を愛し戦い続ける者たちの意地にも期待したい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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