大エースが去る一方で、頼もしい万能戦士が戻ってきた。

　７月５日に開催されたJ１第23節で、最下位に沈む横浜F・マリノスが、勝点４差で18位の横浜FCとニッパツ三ツ沢球技場で対戦。移籍のため、この一戦を最後にチームを離れるアンデルソン・ロペスが、78分にPKで決勝点を挙げ、１－０で10回目の横浜ダービーを制した。

　４枚のカードを切ったなか、85分に最後の交代で山根陸と共に投入されたのが、ジャン・クルードだ。昨夏に加入した21歳のトーゴ代表MFは中盤の底に入り、右膝の怪我から２か月ぶりに復帰した。

　アディショナルタイムを含めて約10分プレーし、公式戦６試合ぶりの勝利、大島秀夫監督が率いて４戦目にして初勝利に貢献したJ・クルードは試合後、取材に対応。次のように思いを伝えた。

「まずメディカルスタッフに感謝したい。誰でも怪我は本当に辛いけど、そこをメディカルの方々が助けてくれた。しっかりこうやってピッチに戻れたことにまず感謝したい。結果としては、戻ってきた試合で勝利を噛みしられて、本当に幸せな気持ちだ」
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　クローザーとしての投入であり、自身の役割は「シチュエーションを見ても明らかだった」。

「真ん中にいて、勝ちに貢献する、しっかり最後締めるところが役割だったので、外から入ってくる時に（指示が）すごく具体的に色々あったというよりは、やることはハッキリしていたので、それをやるという感じだった。

（勝てて）ただただ嬉しい。ファンにとっても我々にとっても、本当に久々の勝利で嬉しい時間だった。どんなに大きいクラブでもこういった時期が訪れることはあると思う。とにかくチームの助けになるように、やっぱり『自分ができることを全力で』というところ。そこはシーズンの最初から変わらない。引き続きやっていきたい」

　右膝の状態は「100％万全だ」と言い切った。

「先生の『こういうことをやっていく』という指導をしっかり受けて、ドクターの話もしっかり聞いてやることを取り組んできたので、もう100％万全な状態だよ」

　抜群の身体能力を活かしたダイナミックなプレーだけでなく、青・白・赤が入った特徴的な髪型も目を引く。復帰に合わせて仕上げたニューヘアスタイルは、手応え十分だ。

「大満足だ。自分の大好きなビッグクラブの色を、トリコロールをここに入れたよ。すごく満足している」

　また、手にしていたサングラスは「日本で、普通にオンラインで買った」と説明。そして「とても似合ってます」と伝えられた際には、「当たり前だろ！」と言い放ち、笑いを誘った。

　日本のビッグクラブでトーゴの逸材が見せるパフォーマンスへの期待は相当大きい。来日直後、焼肉屋でタン塩の美味しさに感動した背番号45は、J２降格回避のキーマンとなるかもしれない。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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