2025年６月25日、J１リーグで下位に低迷中の最下位・横浜F・マリノスと17位・FC東京が日産スタジアムで激突。両チームの勝点差は６で、“裏・天王山”と言っても過言ではないサバイバルマッチは緊迫感漂う中でキックオフとなった。

　リーグ戦過去５試合１分４敗と不調のFC東京は20節のセレッソ大阪戦から採用中の４−４−２システムで臨むと、立ち上がりからアグレッシブに仕掛けた。今季リーグ戦初先発の野澤零温、浦和レッズから途中加入した長倉幹樹らのシュートはゴールに結び付かなかったものの、悪くない入りをした。

　この日のFC東京はセカンドボールへの反応、相手への寄せのスピードが素晴らしく、アウェーながらもシュートチャンスを複数作り出した。シュートの精度はさて置き、試合序盤からペースを握ったのはFC東京だった。

　徐々に横浜FMの３トップ（アンデルソン・ロペス、エウベル、ヤン・マテウス）への対応が甘くなりピンチになるシーンもあったが、前半に限ればFC東京の試合だった。「４」「４」「２」と３ラインを敷く組織的な守りが機能し、奪ったボールを素早く前線に繋ぐなど、良い守備からの攻撃を実践できていた。
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　スコアレスで迎えた後半、右サイドで起点を作りながら好機を窺ったFC東京がついに先制する。51分、ゴール前の混戦から野澤が文字通り押し込んで均衡を破ったのだ。

　リードした後も攻めの姿勢を崩さないFC東京は、組織的に今ひとつ機能していないように映る横浜FMを押し込んだ。カウンターを受けても首尾よく弾き返し、そして68分、オーバーラップした室屋成のクロスにゴール前で合わせた佐藤恵允のシュートで２−０。さらに85分の長倉の追加点もあって、敵地で３−０と理想的な展開でゴールを重ねた。

　闘争心を前面に押し出す戦い方で横浜FMを零封したFC東京がリーグ戦で６試合ぶりの勝利。湘南ベルマーレ（FC東京よりも消化試合はひとつ少ない）を抜いて16位に浮上した。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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