Jリーグ史上11人目の快挙である。なのになぜ、世間的な注目度は低いのか。不思議でならない。何に疑問を抱いたかと言えば、2025年６月14日のセレッソ大阪戦でFC東京のDF森重真人（38歳）が成し遂げた“J１通算500試合出場達成”についてだ。

　せっかくの機会だからと、その疑問を本人にストレートに投げかけてみる。C大阪戦後のミックスゾーンで「森重選手がプロ20年目のキャリアで築いた500試合出場は、もっと注目されるべきですが、その点をどう捉えていますか」と。

 すると、森重は少し笑みを浮かべながら話し始めた。

「それはメディアの力、というよりも、僕自身の地味さ（笑）。それもいいんじゃないかと」
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　謙虚な森重らしい本音である。

　ちなみに、J１通算出場ランキングの上位10人は以下の通り。１位／遠藤保仁（672試合）、２位／西川周作（644試合）、３位／楢﨑正剛（631試合）、４位／中澤佑二（593試合）、５位／阿部勇樹（590試合）、６位／曽ヶ端準（533試合）、７位／興梠慎三（526試合）、８位／小笠原満男（525試合）、９位／伊東輝悦（517試合）、10位／山田暢久（501試合）で、森重はあと２試合でトップ10入りを果たす。それについても聞くと、本人は次のように答えてくれた。

「500試合もそうですけど、あまり意識していないというか。淡々と１週間、いや、淡々とじゃないな。本当に必死に、死に物狂いで準備して、積み重ねていきたい」

　本人しか分からない苦労と挫折を乗り越えて、500試合に到達し、さらに偉大な記録を打ち立てようとしている。それでもまずはここで一度、祝福の言葉を述べたい。

　森重選手、J１通算500試合出場、おめでとう。とてつもなく素晴らしい記録です。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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