プレミア屈指の名門クラブであるマンチェスター・ユナイテッドは今季、厳しい戦いを強いられた。

　2024-25シーズンのプレミアリーグを約半世紀でクラブワーストとなる15位で終え、ヨーロッパリーグではファイナルまで勝ち進んだものの、決勝でトッテナムに０－１で敗戦。無冠に終わっただけでなく、チャンピオンズリーグの出場権も逃した。

　昨年の11月に指揮官に就任したルベン・アモリム監督に対するファンからのプレッシャーは高まっており、世界で最も華やかなクラブの一つであるユナイテッドの指揮官として、彼が適任かどうかを疑問視する声は少なくない。

　一方で、クラブは引き続き、アモリムへの全面的な支持を強調しており、来季も続投する見込だ。私は、彼がユナイテッドの監督を続けていられる理由は、主に２つあると考えている。
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　まず１つ目は、指揮官を次々に代えても好転していない点だ。近年のユナイテッドは多くの監督が指揮を執ったにもかかわらず、誰になっても決して良い結果を収めたとは言えない。それを踏まえて、一定期間、同じ監督で戦う必要があるのと考え始めているのではないか。また、アモリムはまだユナイテッドで１シーズンを戦っていないため、これまでの半年間だけで評価するのは難しい部分もある。

　そしてもう１つの理由が、サウジアラビアから巨額のオファーを受けたチームの絶対的司令塔ブルーノ・フェルナンデスをクラブに残留させたことだ。これはおそらく、アモリムがこれまでユナイテッドで挙げた最も大きな成果だろう。

　これは現在、ユナイテッド最高の選手であり、ファンから最も愛されているB・フェルナンデスに対する影響力を持っていることを示している。アモリムは同胞のポルトガル人MFを説得し、移籍させなかったことが評価されている。

　ユナイテッドは来シーズンに向けてチームの立て直しを図るなか、すでにウォルバーハンプトンからブラジル代表のマテウス・クーニャを獲得。ブレントフォードのFWブライアン・ムベウモも加入の噂が囁かれている。

　アモリムは来季、かつてスポルティングで見せていたような手腕を発揮できるか。

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー／1968年６月７日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA（全米大学体育協会）主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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