［北中米W杯アジア最終予選］日本 ０－１ オーストラリア／６月５日／パース・スタジアム

　まさかオーストラリア代表が、ホームでここまでベタ引きするは思わなかった。

　日本代表が相手とはいえ、多数の主力が不在で、スタメンのうち８人が最終予選初出場。３人は代表デビュー戦だったからだ。

　どこかで前に出てくるのかと思ったが、後半に入っても守備一辺倒は変わらず。そしてワンチャンスを活かして、90分にアジズ・ベヒッチがゴールを奪い、勝点１どころか勝点３を奪ってしまった。

　ゴールが決まった瞬間、数人のオーストラリア人記者が狂喜乱舞していた。そのなかのひとり、頭を抱えて「信じられない」という表情をしていたマット・オルセン記者に話を訊くと、興奮冷めやらぬ様子で、こう語っていた。

「日本は主力がいなくても、非常にテクニカルで、足下の技術に優れていた。アジアの巨人が相手なのだから、（オーストラリアが）守備に回るのは当然だろ。我々はカウンター狙いだったんだ。日本のプレッシャーを全て受け止めるのがプランAで、それが最後にあの素晴らしいゴールを実現したんだ」

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　また、森保ジャパンについては「見ての通り、この日本代表も素晴らしかった。今回の日本代表の選手たちもステップアップしていて、国内外で活躍している。だから、オーストラリアはわずかなミスも許されなかったんだ」と印象を語っている。

　オーストラリアが採用したのは、いわば“弱者の戦法”だ。経験の少ない選手を揃えた日本に対してリスペクトし過ぎている印象だったが、同記者は当然だと考えているようだ。それほど、日本は別格の存在だと見ているのだろう。

取材・文●江國森（サッカーダイジェストWeb編集部／現地特派）

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