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日本サッカーが新たな章に入るには…“化け物級”の点取り屋が必要【小宮良之の日本サッカー兵法書】

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2025年05月15日

ブラジルは時代をリードするストライカーが出てきた

今季は公式戦9ゴールの上田。(C)Getty Images

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「点取り屋不在」

 日本サッカーにおいて、長い間、一つの決まり文句だった。

 しかし、近年は多くのストライカーは出てきた。中でも、大久保嘉人、岡崎慎司、大迫勇也の3人は代表でも中心的存在になった。彼らは世界のディフェンダーとも真っ向からやり合えたし、日本サッカー史上最高のFWたちと言える。

 彼らのようなストライカーが生まれたことが、日本サッカーの強化、日本代表の最強化につながっている。

 もっとも、単なる「点取り屋」として比べると、世界のトップストライカーたちは、やはり「化け物感」がある。アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)、ロベルト・レバンドフスキ(FCバルセロナ)、ラウタロ・マルティネス(インテル・ミラノ)、ハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン)などはリーグ30点前後を狙う“ゴールの強奪者”の風体がある。

〈ゴールを奪う〉

 それに特化した肉体とマインドを持ち、技術、戦術を身につけたモンスターたちだ。

 翻って、欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス)、日本人FWの歴代最多得点は、2013-14シーズン、岡崎がブンデスリーガで記録した15得点。2位も岡崎で12得点だった。他は10点前後。すばらしい記録だが、ゴール数は多くない。

 岡崎はプレミアリーグでレスター・シティを優勝に導く立役者の一人で、チームプレーヤーとしての知性や献身性は目を見張るものがあった。ジェイミー・ヴァーディーを生かす動きは卓抜だったと言える。しかし、ゴールゲッターの使命は譲った感がある。

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 欧州最高峰のチャンピオンズリーグも、日本人最多は香川真司、南野拓実、前田大然の4点。これだけ試合数が増えても、ゴール数が増えていない。それだけ、トップレベルでゴールを重ねるのは難しいのだ。

 今シーズン、レアル・マドリーに鳴り物入りで入団したブラジル代表FWエンドリッキは「左利きのロマーリオ」と将来を嘱望され、怪物感がある。ロマーリオほど、人を食ったようなトリッキーさはないが、ボールをゴールの枠に叩き込むパワーや精度は十分。まだポジションをつかむには至っていないが、シューターとしての非凡さは示している。

 ブラジルは各年代、時代をリードするストライカーが出てきた。ペレ、カレッカ、ベベット、ロマーリオ、ロナウド、アドリアーノなどを輩出。怪物の年代記はやや途切れた時もあったが...ブラジルが強い時代は、やはりストライカーに恵まれていたということか。

 日本人FWも、上田綺世や古橋亨梧は前所属のベルギー、スコットランドではゴールを量産。ゴールゲッターとしての輝きを見せる。彼らが、あるいは彼ら以外のストライカーが殻を破ることで、日本サッカーは新たな章に入るはずだ。

文●小宮良之

【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。



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