イマノル・アルグアシル率いるレアル・ソシエダは死んだ。その死亡証明書には、指揮官が会長に退任の意思を伝えた日ではなく、アスレティック・ビルバオとのダービーマッチの開催日が記されている。

　チュリ・ウルディンは、新たな熱意とエネルギーを持って一歩前進する必要があった試合で、悲惨なパフォーマンスを繰り広げた。こうして勝点を取りこぼす試合を繰り返している間に、一体何度、欧州カップ戦という列車が通り過ぎていったことだろう。

　言うまでもなくアスレティックとのホームゲームは特別だ。セルタ、ヘタフェ、エスパニョールなど他のどのチームの訪問時とも異なる姿勢で臨まなければならない。シーズンを通して最も勝ちたい試合が敵地のアスレティック戦であるなら、絶対に落としたくない試合は、永遠のライバルをアノエタ（レアル・アレーナ）に迎える一戦だ。

　にもかかわらず、ソシエダは血も魂も感じられず、危険なチャンスを創出できないままただ時間だけが過ぎていく大凡戦を演じた。最近の戦いぶりを見ていると、アルグアシルはこのままではお先は真っ暗と考えた末に逃げ出そうとしているのかもしれないとすら思えてくる。

　さらに深刻なのは、既に被害が表面化していることだ。例えば、マルティン・スビメンディは今夏の移籍を決意し、レアル・マドリーとアーセナルのどちらかを選択するかが焦点となっている。

　他の選手に目を向けても、アレックス・レミロは完全に扉を閉ざしておらず、タケ・クボ（久保建英）も、アスレティック戦後に「今のところ契約は残っているし、ラ・レアルに残って、ラ・レアルの成長に貢献したいと思っている。でも監督と同じように、何が起こるか分からない」と明言を避けた。

【画像】真野恵里菜、平愛梨、高梨臨…新旧日本代表を支える”タレント&モデルの美人妻たち”

　一方、タケのパフォーマンスに関してはチームの中で唯一合格点を付けられる内容だった。悪質なファウルを繰り返し受けながらも、DANに刻み込まれている諦めない闘志を発揮し、何とか状況を打開しようと試みた。

　最初の見せ場が訪れたのは49分。パブロ・マリンの横パスを右サイドで受けると、ペナルティエリア内で縦に仕掛けながら、右足でシュートを放ったが、相手GKウナイ・シモンが両手で触ってコーナーへと逃れた。

　さらに67分、鋭いボール奪取からその勢いのままドリブルでペナルティエリア内まで侵入。ダニエル・ビビアンに背後から倒されたが、主審はノーファウルで流した。80分にも、再びマリンからの好パスを右に開いて受けると、今度は得意の左足を振り抜いたが、股を通そうとしたシュートはイニゴ・レクエにブロックされた。交代を告げられたのはその３分後だった。

　アルグアシルは「このチームは数年後、今よりもずっと良くなる」と繰り返し口にしてきた。しかし、その確証はどこにあるのだろうか。若手が成長しても、現在の主力がその時チームにいなければ、何の意味もない。残り４試合。ソシエダは窮地に追い込まれている。

取材・文●ミケル・レカルデ（ノティシアス・デ・ギプスコア）
翻訳●下村正幸

【記事】「獲得すべきだ」久保でも三笘でもない！新王者リバプールに９G７Aの日本人アタッカーの補強を望む声！「素晴らしいMFだ」

【記事】「長袖のインナーを着てくれと」元日本代表MFが代表戦での“タトゥー隠し”を告白「たまたま着ていなかった時に点を決めて新聞に…」

【画像】絶世の美女がずらり！C・ロナウドの“元恋人＆パートナー”たちを年代順に一挙公開！